前世はオタク!?
「大丈夫?・・・初めまして、薔薇霧里斗って言うんだ。よろしく、向日葵さん」
・・・あれ?このセリフって、なんか聞いたことあるような気がする
どこで?それに・・・向日葵って
「別に気にしなくていいよ。日向さん。俺は桜川悠人、よろしくな」
このセリフも・・・どこでだっけ?
うーん・・・桜川・・・桜?
日向って、さっきの向日葵の名前?
「そうですか。私の名前は百合原桐生。今後気をつけなさい。向日葵さん」
この口調、えーっと確か・・・
た、太陽、と・・・なんだっけ?
それに、また向日葵の名前・・・
「ありがとうございます!助かりました!僕の名前は涼宮藍です!これからよろしくお願いしますね!日向先輩!!」
ここでも・・・うーん・・・
あともう少しなんだけど
「ああ、大丈夫だ。お前に怪我がなくてよかった。俺の名は紫陽花塁だ」
紫陽花・・・あーーーーーっ!!
思い出した!
これ、『太陽と4つの花たち』っていう乙女ゲームの攻略キャラの自己紹介じゃん!セリフ全く一緒だし!!
「・・・いっ!」
あれ、でもなんで忘れて・・・
「だ・・・か!れ・・・!」
?何か聞こえる?
「大丈夫か!!零!」
ガバッ
「あれ?お父さま?」
「大丈夫か!?何処か悪いとこでも打ってないよな!?びょ、病院に・・・!!」
・・・起きた瞬間にこれって・・・
ん?でも私、なんで寝てたの?
それに、このお父さまの心配よう・・・もしかして気を失ってたのかな?
うーん・・・思い出してみよう
・・・あーー・・・遊んでたら滑って、それで頭打って気を失ったんだった
心配して当然か
まだ2歳だし
で、頭打った衝撃で前世を思い出したわけね
「こら!貴方が取り乱さないでください!零がビックリしてるでしょう!!」
あ、お母さま
取り乱してたお父さまを叱ってる
「零?何処か、痛いところはないかしら?」
あ、お父さま隅でいじけてる
「うん。大丈夫だよ。心配かけてごめんなしゃい」
・・・噛んでない。噛んでないよ
これは仕方ないんだよ。まだ2歳だもん。そう、仕方ないことなの。仕方ないこと・・・
だから、赤くなってなんかいないもんね!
「そう。よかったわ。今日はもう寝なさい。疲れたでしょう?」
んー、それはいいかも
思い出したこと、落ち着いて整理できるし
「うん。じゃあおやすみ。お母さま、お父さま」
「「おやすみ」」
あーもう
はぁ・・・これからのこと考えると面倒だなぁ。でも、このまま行くと日向にすっごい困難ばっかり降りかかるし・・・
仕方ない。私が動くか
前世の私はどうやらオタクだったらしい
あ、でも、スポーツ万能、成績優秀、品行方正な完璧少女だったよ?でも、あれだよ。才色兼備と言うには、美が無かった。
ま、別にいいけど
それでオタクな私がプレイしていて、尚且つ大好きだった『太陽と4つの花たち』に転生したみたいだ・・・ライバルキャラとして
え?なんで分かったのかって?
そんなの、私の名字が薔薇霧だからよ
攻略キャラ全てに花の名が入ってて、私の場合は攻略キャラの双子の姉だから薔薇霧も入ってるし
ん?双子の弟はって?
あの子は私が起きる前に寝てたみたい。寝室いったらぐっすりと寝てた
え?転生したことに混乱しないのかって?
え、だって夢にまで見た大好きな乙女ゲームに転生したんだよ?喜ぶに決まってるじゃない!混乱なんてしない!!
折角転生したんだから、女の子いっぱい口説くぞ!!なんてったって私はオタクでレズだったからね!今世は才色兼備を目指すよ!
っと、すいません。暴走して
ついつい興奮してね
さて、私はもう寝ますか
結構眠くなってきたし
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「んーー!よく寝た!」
私は起きてすぐに身だしなみを整えてこれからのことを考える
うーん・・・折角これからどんなことがあるかとか知ってるんだし、それ回避のために動こうかな。あー、でも私のこと知られたらめんどくさい・・・よし、変装しよう。変装。
私の特徴は赤髪に金眼と長い髪だから、ショートの黒髪のカツラを被って、金眼はそのままでいいや。で、フード被れば大丈夫でしょ
私の金眼はこの家族や使用人にとって、トップシークレットだし
ん?なんで使用人なんかいるんだ。普通いないだろ?そんなの私の家が王族だからだよ。え!?王族ぅ!??って思ってるでしょ。そのまさか
いや、こんなの乙女ゲームの設定に無かったからビックリ、乙女ゲームでは普通の貴族だったし
あ、でも、絶対説得して好きな人は自分で決めるよ?丁度良いことに弟がいるから、きっと弟が継いでくれるだろうし
てか、私は成人迎えたら、同性婚ありな国にしようと思ってるしね!
っと、話が逸れた
まあ、これからの私の行動予定は
まず、それぞれ攻略キャラたちの黒歴史を潰して行く
里斗は4歳のときに暗殺されかけて、怪我したせいで心配性の親に監禁されるから私が守るとして
悠人は母親の不倫による父親の虐待でしょ。防ぎ方は簡単。私が遊びと称して母親を脅すこと。あっちは伯爵だから下手に私を潰せないしね
桐生は5歳での誘拐。こっちは私が逐一監視して誘拐されそうなところで、桐生を気絶させて相手を殺ればいいかな
藍はレイプだったはず、男のくせにすっごい可愛いかったから、子供の頃は
で、対策はそれが起こるところで待ち伏せしてレイプ犯を殺す
こんなところかな
さて、そのためにいろいろ準備しようか