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Schicksal  作者: 碧生
1/2

~約束~


 アハトは氷に覆われている王国、アインス王国にて18歳の誕生日をむかえる。

 幼き日に約束した少女との思い出を胸に、幼馴染のノインを連れ、冒険の旅へと出る。

―――

――


『ねえ、アハト』


『なあに?リーベ』


『私のこの力の事、他の誰にも内緒にできる?』


『もちろん! 僕、リーベが大好きだもん! リーベとの約束、守れるよ!』


『ふふっ、ありがとう。 ・・アハトが18歳になったら、またわたしに会いに来てくれる?』


『! いいの?!』


『ええ。でもあと10年もあるわよ? 本当にこの雪が吹き荒れる雪山に来れる?』


『うん! 10年後、また、リーベに会いに来る!』


『ありがとう。・・これ、私のことを忘れてしまわないように』


『! 雪の結晶のペンダント・・?』


『そうよ。・・じゃあ、もうお帰りなさい、アハト』


『うん・・じゃあね、リーベっ』


『じゃあね、アハト―――――』


――

―――

――


「アーハートー! 起きてアハトーっ」


「ん~~、あと10分・・・」


「もうっ、今日はアハトの18歳の誕生日でしょ! もう子供じゃないんだからっ、早く起きろ!」


「うわ! ・・・ノインか。びっくりした・・」


「アハト、今日はおばさんがケーキを焼いてくれるって!」


「はいはい。 もう、母さんは本当にケーキ作りが好きだな・・」


「アハトのためだからって、嬉しそうに用意してたのよ? 早く起きて着替えなさい!」


 どこもかしこも氷に覆われているアインス王国。

雪山のふもとの街、フースでは18歳を超えると『大人』として認められる。


「・・・ノイン、俺さ、懐かしい夢を見たんだ」


「?」


「確か、7,8才くらいの時の思い出・・・」


「ああ、いつも言ってる夢の話ね。 もう、いい加減大人でしょ。 過去にばかり縋り付いてないで現実を見なさい!」


「ああ、わかってるよ、ノイン。 ていうかお前、なに勝手に俺の部屋に入ってきてるんだよ」


「えへへっ、別にいいでしょ? 幼馴染だもんっ」


「・・着替えるから、出て行って? あとでまた来てくれればいいよ」


「! うんっ わかった!」


 ガチャ


「ふう・・・」


 アハトは、引き出しに入れてある小さな箱の中から、1つのペンダントを取った。


「・・・リーベ。 俺は、君との約束を忘れてないよ」


 一人、呟きながら服を着、ペンダントをかけ大切にシャツの中へしまった。


 そして、母親とノインが待つリビングへ向かった。


 お読みいただき、ありがとうございました。

約束の物語はどうでしたでしょうか。

  あなたも、思い出の約束はあるでしょうか。

では、また会うときまで。

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