数奇
君に遊んでもらっていた時が一番幸せだった。この関係は永遠だと思っていた。
初めてこの家に来た日、不安で不安で仕方なかった僕を優しくきゅっと抱きしめてくれたよね。どんな時でもずっと一緒にいてくれたよね。ねぇ、次はいつ僕を抱き上げてくれるの?ずっと君を見ているのに。君の力を借りないと動けないのに。
ある日僕はきゅうきゅうのビニールの中に押し込まれた。この袋がどこに向かうか、どうなるかは知っていた。青いビニール越しに見えた君の顔は悲しそうな、でもほっとしたようにも見えたんだ。
お願い、出して。もう一度抱き上げて。擦り切れてボロボロになった僕を。
お願い、出して。もう一度抱きしめて。黒ずんで醜い姿になった僕を。
だけど願いは叶わない。お迎えはもう来ちゃったんだね。ぐしゃぐしゃと身体がつぶされて綿がたくさん飛び出す。そのうちポロリと目が取れ落ちた。涙が出ない代わりに落ちていった。見えない世界の中で、ただ孤独感だけが身体を襲う。痛みは感じないけれど、どんどん身体は傷んでくる。魂は持っていないけれど、心はちゃんとここに在る。ああ、神様。この声があなたに届いたなら、どうか僕にチャンスをください。もう一度愛されることができたなら僕の存在を許してください。
もし、君と同じ姿で生まれてくれば、こんな気持ちにはならなかったのかな。
最初、何を思ったのか、歌詞を書こうとしました。……無理でした。次に、これをプロローグに小説書こうとしました。断念しました(^q^)
私はメルヘンチックなラブストーリーが好きなのかもしれないと最近思います。