運命なんてしんじない
あんたとの運命なんて絶対に信じないから!!
運命なんて信じてないけど
むしろ信じたくないけど・・
ただ一つ言えることは運命という言葉はいい言葉に聞こえがちだけどそんなことはないってことだけ
今ここは普通の道端です
てかどちらかといえば高級ホテル街があるような道路です
想像すればどんな感じだかおわかりですか
私も普段暮らしているところとは別世界に来たような感覚です
そもそもなんで私がこのようなところにいるかといいますと
何もかにも全部実の姉の仕業です
ふつう結婚前提のお見合いの当日に彼氏とデートになんて行くか?
そんなの疑問に思わなくてももちろん答えはNO!
行くわけないっつうの
ああこの神聖な道路で大声で叫びたい
あーーーーーーーーっ
もちろんそんなことは許されるはずもなく
「ちょっと美紀何してんの、早く行くわよ。先方はもういらっしゃっているみたいだし。」
「え?ほんとにあたしがお姉ちゃんの代わりに行くの?どう考えたって無理でしょう」
「大丈夫よ。美香も美紀も私の子どもには変わりないし、なんてったって顔が同じだもの」
おい、母よそんなに簡単に・・・・
いくら双子で顔が同じだからって性格は全然違うわけだし
むしろ正反対だし
「無理だよ、お母さん。趣味とかだって事前に伝えてあるわけだし、話だって合わないよ。お姉ちゃんに連絡して呼び戻そうよ。」
「今からじゃ間に合わないでしょ。ここは美紀が一肌脱ぐしかないわよ!!がんば^^」
がんば^^じゃねーよ。頑張れるわけねーだろうが!怒
てか、ノリが軽い。しかも、今日に限って家族で唯一話の分かるお父さんがいないし・・・・。
神様、仏様、そのような類の方々どなたでも構わないので私を助けてください!!!!!
私はどうすればいいのでしょうか
「行くしかないわよ!!美紀。いざ戦場へ。お母さんもお父さんいなくて心細いけどがんばるから。あなたも精一杯美香になりきりなさい。」
お母さんに聞いてないし。
でももう腹をくくっていくしかなさそうだ。
美香帰ったら覚えてろ
「そうだね、お母さん。これ以上は渋ってもどうにもならなそうだし。あきらめるよ。」
「さすが美紀、物分かりがとってもいいわね。お母さん助かるーー。もしもの時はと思って、これ用意しておいたんだけど使わなくてすんだわ。」
手に握られていたものは、睡眠薬・・・・・。
おい!!!!実の娘にそんなもの飲ませようとするか
てか、犯罪のだろ。もう少しほかの方法を考えろよ!!
美香を呼び戻すとか父の不在で日付をあらためるとか、ほかにいくらでも方法はあっただろうに。あえてその方法を選んだあなたすごいよ
「お母さん・・・・。あたし物分かりが良くて幸せだよ。」
「そうね、おかあさんもよかったわ。ふふっ」
ふふっじゃねえよ。誰のせいで若干17歳にしてこんなに物分かりのいい娘に育ったんだか。しかも少し残念そうだし。
あーーもうどーにでもなれーー
この際すごい性悪な美香演じて印象悪くしようかなー
なんて、さすがにそれはかわいそうか。