鐘が鳴ったようです。
市川さんが連続で正解し、観客が沸き立つ中それを煽ろうとキラッキラしながらウザい生徒会長は声を張り上げました。諦めないで言います、うるさいですね。そしてウザいですね。
「さあさあ続いては――」
しかしそのとき、学校特有のどこか古臭いくせによく響く鐘の音が鳴りました。
……やれやれやっと終わりですか。でも結構短かったような、それはそれでとても良かった。ありがとう鐘。ありがとうチャイム。ありがとうキンコンカンコン。
「おおっと、時間切れだ。勝敗は決した、結果発表に移るぜ。キラッ」
盛り上がり足りないようで、少しだけ不服そうな声をしながらもそう宣言したキラウザ野郎は相変わらずのきらめきです。歓声マジウゼェ。
とにもかくにも、結果発表要りますかね。一目瞭然の気がしてならないのですが。一位の人は決まったも同然なのですし。…でも毎度恒例でもあるのですよね。ちっしかたねえ。
……あっしかもこいつ、あとのこと私に任せる気だ、流し目送ってきやがりました、うおえ。さっさと読んで終わらせよう。
「……まず第三位、一ポイント獲得。エントリーナンバー四番、謎ではなくなった自称マドンナ転校生、木島亜美さんです」
「キラッ、はい拍手ー!」
わー、と雰囲気に浮かされた拍手が上がりました。頬杖をついていた亜美はビクッとしてからあははー、とぎこちなく手を振っています。あの様子では途中から面倒くさくなっていたに違いありません。初参加でしたから、これが最初で最後の参加になるでしょう。
「続いて第二位、二ポイント獲得。エントリーナンバー三番、可愛らしすぎる文学少年かっこはてなかっことじ、瀬本真紀さんです」
キャー、というのは凶器になりますので皆様お静かに。本当頼みますから。しかし本人は涼しい顔で、訂正します、ほんのり頬を赤らめて嬉しそうな顔をして手を振ってそれに答えていました。でも瀬本さん、一瞬微妙に顔しかめたでしょう。私の眼鏡はごまかせませんよ、猫かぶり第二号め。
耳を塞ぎながらちらと隣を見てみると、隣の野郎ですら顔をしかめています。今更ですがそれも絵になってしまうので引き裂きたい是非に。
「そして栄えある…? 第一位、」
素ではてなをつけてしまいました。とそこまで読んだとき、最初のように隣のキラウザ生徒会長に手元の紙をひったくられました。…ええ口上はもう考えてありましたので読むだけでオーケーです。三人分は。
「キラキラーン! 五ポイント獲得! エントリーナンバー一番、元生徒会長のチート野郎こと、市川宗一だああぁっ! キラッ」
あっこいつ台詞変えやがったと思う暇もなくイケメン狙いの女子のキャー。ファンクラブも相当ですがこちらの方が数が多いのでした。……全くもう、まあその気持ちはわかるわけがねえよ。叫ぶよりもすまし顔でプッシュボタンをいじる市川さんの隣で怒りと敗北感に震えている巨体を慰めて上げなさい。
「なんと言おうと当然の結果だったが、八問という問題の少なさでよくここまで熱狂できたと思う! 何より面白かったぜキラッ」
こいつはしっかり楽しんだようですね。早く終わってくれてほっとはしていますが、折角あれだけ問題を作ったのにもったいない気もします。どうせまた似非クイズ番組はまたやるだろうからとっておきますが。
「では教師が来る前に片付けぇっ! みんなよろしくねキラッ」
せこい!
似非クイズ番組終了です。なんだかやたらと時間をかけたような。そんなに書いてないのに。
ちなみにここで切り上げたのはクイズが思いつかなかったからというのもあります。今思えばことわざ入れればよかった……。
次、違うイベントやらかします。体育会系にする予定。