表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この生徒会長キラキラしてる。  作者: フレジェ
第一編 キラウザクイズ似非番組
5/11

調子に乗ってきたようです。

 たけとう。

 竹刀を高校生で、しない、ではなくたけとうと読むとは。しかも、まさか、高校三年生で。驚きの域を超えて引きますね。


「ざ、残念不正解ですよキラッ」


 しかもこいつ、声がいまだに上擦っています。その所為か盛り上げるのを忘れているようです。……まずいですね。またテンションだだ下がりは避けたいところです。

 これは参加者の皆さんに賭けるしかありませんかね。


「剣道で使用する」


 ピンポン!


 さあ誰が救世主か。


「し、しない、竹刀よね?」


 亜美でした。不安なのでしょうか、声が震えています。心配しなくても滑ってはいませんよ。


「えーと、ぶっぶー、不正解キラッ」


 よし、微妙ですがこいつも持ち直してきたようです。一方、亜美は恥ずかしいのか座った状態で地団駄踏んでますね。座りながら地団駄踏む人はじめて見ました。

 そしてだんだんと空気が浮わつき始めました。イベントは浮わついてこそなんぼです。テンションも上がり気味で良い兆候です。この調子で行きましょう。


「剣道で使用する防具の」


 ピンポン!


 鳴りました。おお、市川さんです。前に比べると随分と押すのが遅いですね。市川さんでも警戒するのでしょうか。それにしたって一問目の驚きの早さはどうした。

 あら、なんだかさっきの不正解者の方々がわめいておりますね。防具ですけど、ええ何か。


「……、籠手こて


「おおっ! 正解です、キラッ」


 何と正解。調子が戻ってきたのでしょうか、それともエスパーなんでしょうか。普通そこまで読めねえよ。


「剣道で使用する防具の一つで、手につける防具をなんと言うでしょう? という問題です。籠手ですね、正解です。というわけでエントリーナンバー一番の市川さん、」


「一ポイント獲得ですねっ! キラッ」


 ね、をつけたか。まあいい、最初ほどでなくとも盛り上がってますし。あっ、女子の歓声も復活してるウザい。

 ……ふうむ、そろそろ引っかけ問題いきますか。今までも十分引っ掛けでしたけど。ここからが本番なのです。


「さあっ、次に行くぜ! 第六問目だっ、キラッ」


「フランス語で黒」


 ピンポン!


 鳴りました。しかし早いですね、流石にここで押す人がいるとは思いませんでした。読んだ部分は三問目と同じ文なんですからね。

 しかも亜美じゃありませんか。反射的に押したのでしょう、困惑してますね。


「……えっ? やば、っとー…。シュバルツ?」


「ぶっぶー! ふっせいかーい! キラッ」


「あう…。」


 やっちまったなって言いたくなりました。訂正、言ってあげたくなりました。ああ見えて素直な子なんです。見た目女王様中身純情。これってギャップ萌え? というのでしょうか。


「フ」


 ピンポン!


 はやっ。この早押しは市川さんですか。なんか懐かしい早さですね。……うわ、隣のキラウザ野郎が間違いを期待してキラキラキラしてる。キラキラはデフォルト。ああいつものことながら眩しいウザい。

 ですがさすが市川さんと言ったところでしょうか、悪意と期待半々の視線をさらりと受け流して平然と答えました。


「ノワ」


 なんと。


「ちっ、ぴんぽーん! よくわかりましたね正解です、キラッ」


 本当によくわかりましたね、調子が戻ってきたんでしょうか。にしたって早いです。舌打ちにはあえて触れません。ウザい。


「フランス語で黒はノワールですが、フランス語でナッツや木の実のことを何と言うでしょう? という問題です。ナッツはノワ、正解です。なので、」


「エントリーナンバー一番の市川先輩、一ポイント獲得です! これで三ポイントめだぜ、キラァッ」


 こいつ!

剣道のとこ、ちょっぴりかじっただけでよく知らないんで・・・。籠手で合ってます?


ちなみに実はたけとうって自信満々に問題集に書いたの、中学生のときだったり。

フレジェは大いに笑われました。以後、気をつけているのです・・・。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ