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この生徒会長キラキラしてる。  作者: フレジェ
第一編 キラウザクイズ似非番組
1/11

イベントと参加者紹介のようです。

「クエス、チョン!」


 直後、黄色い歓声が響き渡りました。女子限定。

 同時に恨めしやな視線とブーイング。男子限定。

 だがそんな男子は女子の視線で即沈黙。

 女の子の団結力って怖いですね。


「さあ今回も始まりました! 司会はワタクシ二年B組、生徒会長の大久保吉良と! キラッ」


 黄色い歓声。

 ウザい。ウザすぎる。しかも気持ち悪いくらいノリノリです。いくら名前が吉良きらだからってそれはない。みんな騙されてるんですよ。何でモテるんだろう。

 ……おえっ、隣からキラキラした催促の視線が。ああ仕方ない。


「二年D組、副会長の花田雛でお送りします…」

「よろしくね雛ちゃん! キラッ」


 ああやめて。女の子たちの視線が辛い。

 ……これも仕事です。耐えるのです、私。

 企画を進めるべく手元の紙に目を落とし……って何でしょうかこの文章。イラってする。変えちゃえ。


「えー、この企画は募集で集った方々でクイズ番組モドキをすると言う生徒会長自ら立案した暇つぶし企画です」


 隣のイケメン野郎が黒い笑顔を向けてきやがった。


「訂正します。……我らが、う゛、ウルワシイ会長様がご提案なされたクイズ形式の交流企画です。お越し頂いた皆様には感謝を申し上げます…」


 何故。何故私がこんなことを言わねばならんのですか。

 イケメン野郎はニコリと笑って、マイクを手にとって話し出しました。ちっ、様になっていやがります。


「そーいうわけでみんな! こんな古臭い体育館に集まってくれてありがとう!」


 再び黄色い歓声が響く。

 ……この歓声も爽やかキラキラ腹黒会長も、見聞きするたびにイライラします。

 一方、両手両足の指の数くらいだけいる男子たちは、この雰囲気に気後れしています。かわいそうに。


「じゃあ早速参加者の紹介に移ろうか!」


 テンションが上がってきたのかキラキラ度を増した視線に催促され、うんざりしながらも書記と私で書いた文章を読み進めます。


「エントリーナンバー一番、前企画に引き続き参加です。漢検英検ついでにそろばん、一級取得の前生徒会長並びに前回覇者、三年C組の市川宗一さんです」


 教室から運び込まれた教卓に設置された回答ボタンを弄りながら手を挙げたその人に、会長の時と負けず劣らずの歓声が上がります。

 細身のインテリそうな眼鏡さんです。勤勉家で全国模試の順位が凄いと評判の方。

 友人Aは「あの切れ長の瞳がステキ!」と、目を輝かせていたような。

 どうでもいい。続けてしまおう。


「続きましてエントリーナンバー二番、こちらも前回に引き続き参加です。前生徒会長の幼馴染みであり永遠のライバルだと豪語する、ボクシング部前部長、三年C組の波多光司郎さんです」


「宗一には負けん! 負けんぞぉーっ!」


 その人は紹介直後に立ち上がってこぶしも突き上げて大声も上げてアピールしました。一つ前の歓声よりだいぶ減った女子の歓声と、数少ない男子たちの歓声があがります。

 人望は厚い人だ、あの男子たちは健気にも応援に来たのですね。

 友人Aは「あの逞しさと男らしさがクールだわ!」と、うっとりしていたような。

 ちなみにこの人前回ビリでした。


「えー、続きましてエントリーナンバー三番、初参加になります。小柄で有名な文学部のルーキー、一年A組の瀬本真樹さんです」


「小柄は余計だよ! ま、応援よろしくぅ」


 明るい茶髪に女の子のような名前と体躯の、れっきとした男である小柄なその人は笑顔を振りまいて言いました。

 すると、甲高い女子の歓声が聞こえました。見れば一角にやたらと興奮している一団がいます。…ホントにいたんだ、ファンクラブ。

 友人Aは「あの生意気さと可愛らしさは罪よねぇ…」と、にやけていたような。


「続きましてエントリーナンバー四番、こちらも初参加です。今企画の紅一点、謎ではなくなった転校生の帰国子女、二年D組の木島亜美さんです」


「変な紹介ね…。まあいいわ、よろしくねぇ」


 染められた栗色のウェーブヘアーにスタイルの良いその人がそう言うと、男子の野太い歓声と女子の頑張ってー、と言う普通の歓声が聞こえました。この中では一番まともでしょう。

 ちなみに友人Aとは彼女のこと。結構な面食い。

 紹介が終わったあと、手元にあった紙が隣のキラウザ会長に引ったくられました。発言したいみたいです。


「ではルールを説明するよ。このクイズは早押し形式だ。問題文を読んでいる途中でも答えがわかったら、手元のボタンを押して回答してもらう」


 ちなみに問題文は私が読みます。こいつ向きではありませんので。


「ただしっ! キラッ、ボタンを押してからの回答時間は五秒のみ! 答えなかったり間違えたりしたら次の人が答えるまで回答権は与えられない。ただ、その人が答えられなければ、次からは早押しに参加していいことになっている」


 連続回答が駄目なだけで、実にシンプルなルールです。


「みんなの頑張りに期待しているぜ! キラッ」


 さあ、下らない祭りの始まりです。


今更ですがクイズといっても答え等間違ってるのがあるかもしれませんので、鵜呑みにしないで下さいませー。

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