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俺(そろそろまずいかもしれない・・・)

作者: Peanuts

俺 (そろそろ就職しないと・・)


私 (このままだとまずいわね)


自分 (それより腹減ったッスよ!なんか食いたいッス!)


俺 (ちょっと黙ってろ、自分)


自分 (あ!すみません!)


私 (まあそうカリカリしないで。あと就活どうこうよりも、まずは部屋から出る事の方が先決なんじゃないの?)


俺 (そうだな・・まずは部屋から出ないとな)


僕 (そんなこと、無理に決まってるじゃないか!!いつもそう言ってるくせにここ3年一度も出れてないじゃないか!!)


俺 (・・・まあそうだな)



僕 (・・就職なんて夢のまた夢の話だよ!)


俺 (・・ちょっと黙っててくれ僕。頭が痛くなってきた・・・)


僕 (そうやってまた逃げるんだね!?いつもそうだ!!リーダー面しやがって!!)


俺 (なんだと!?もういっぺん言ってみろ!!)


私 (二人とも落ちついて!今喧嘩してる場合じゃないでしょう?俺も疲れて神経質になってるのよ。もっと気を楽にして)


俺 (ああ、取り乱して悪かったよ私。たしかに少し疲れてるみたいだ・・・)


私 (俺、今はゆっくりと休んで。でないとノイローゼになっちゃうわよ?)


俺 (ああ・・)



12時間後


俺 (ん・・朝か。いや、夜か。やれやれ、昼夜がまるで逆転してるな)


私 (おはよう。よく眠れたわね。少しは落ち着いた?)


俺 (うん。さっきは怒鳴って悪かったよ僕)


僕 (僕こそたしかに言い過ぎたよ・・ごめんよ俺)


俺 (さてと・・よく眠ったら腹が減ってきたな。お母さん食事用意してくれてるかな?どれどれ)


ガチャ


俺 (ん?おかしいな。いつもこの時間には置いてあるのにな)


自分 (自分もう腹ペコペコッスよー)


私 (私も。どうしたのかしらね?)



6時間後


俺 (おかしいぞ?こんな時間までご飯が用意されてなかったことは今までないよな・・)


自分 (自分もう腹が減って一歩も動けないッスよー)


私 (確かに変ね。でもお母さん、忘れてるのかもしれないわ。とりあえず明日の朝まで待ってみましょ)


僕 (何か嫌な予感がするな・・・)


俺 (よせよ・・)



12時間後


俺 (・・さすがにこれはおかしいぞ)


自分 (昨日の朝から何も食べてないッスね。自分こんなにお腹が減ったの初めてッスよ)


私 (困ったわね、本当にどうしたのかしら。少し一階の様子見てくる?)


俺 (よせよ!ここ3年も顔もあわせていないんだぞ!そんなこと出来るかよ!)


僕 (そうやってまた逃げるんだね?)


俺 (ぐっ・・まあいろいろ考えてみても仕方ない。きっともうすぐ来るさ)



6時間後


俺 (・・こない・・な)


私 (なんだか心配になってきたわ。お母さんに何かあったのかもしれない)


僕 (限界だよ・・・もう自分から逃げるのはやめないか?)


自分 (・・・・)


俺 (でも・・・)



6時間後


俺 (・・行こうか)


私 (ええ、そうしましょう)


自分 (は・・腹減ったッス)


僕 (・・ついにこの時が来たな)



30分後


私 (一向に前に進めないわね・・)


僕 (ああ、もう階段を降りるのに30分もかかってるのにまだ三分の一も進んでないな・・)


自分 (頑張るッス!頑張るしかないッス!そして早く飯食いたいッス!)


俺 (ふう・・この調子だと下の階に辿り着くにはまだまだ時間がかかりそうだな・・うぅ・・お母さん・・・どんな顔して会えばいいんだ・・・)


自分 (しかし腹減ったッスねー?)


私 (もうちょっとよ。我慢して)



一時間後


俺 (つ・・ついに着いたぞ)


私 (ええ・・・たしかこの向こうにリビングのドアがあるのね)


僕 (ちくしょう・・足がガクガク震えやがる)


トコトコ


俺 (あ・・開けるぞ・・)


私 (ええ・・)


僕 (・・・ゴクリ)


自分 (・・・・)


ガチャ


俺 (!!・・・?)


私 (い・・・・いないわね?)


僕 (どこへ行ってしまったんだろう?少し探してみるか)



10分後


僕 (やはり何処にもいないな。お母さんはどうしてしまったんだろう・・・)


自分 (飯も・・なかったッスね・・・・)



俺 (ちくしょう!ちくしょう!ちくしょう!・・・いったいどうすればいいんだ!?)


私 (俺、まずは落ち着きましょう。ここまで来れたのだって大進歩じゃない)


僕 (まさに大冒険だったな)


俺 (ああ・・・そうだな。すまないみんな、取り乱してしまって)


自分 (でもこのまま食べ物が見つからないと・・・死んでしまうッスよ・・・)


私 (そうね。ここまで来るのにこれだけ大変だったんだから、外に出るなんて到底無理ね・・・)


僕 (それに金もないしな・・・)


俺 (そうだな・・・)



俺 (とりあえず部屋に戻ろう)


私 (賛成ね。もうクタクタ)


部屋に戻る


俺 (さてこれからどうしよう・・・)



12時間後


俺 (随分と眠ってしまったな・・まだ食べ物はないか。あれ?電気が付かない?停電かな?うっ・・・まずい・・頭がクラクラしてきた)


私 (水だけでも飲みに行きましょ?)


俺 (そうだな・・)


水を飲みに台所へ行き、蛇口を回す


俺 (あれ・・・?水が少ししか出ない・・まあいい飲もう)


ゴクゴク


自分 (いやー生き返りましたねー)


俺 (そうだな。でもおかしいな?水道止められるのかな?そういえば電気も付かなかったし・・・)


私 (本当にどうしてしまったのかしら・・・)


僕 (・・・本格的にまずくなってきたな)


俺 (・・・・)



6時間後


俺 (外はもう明るくなってきたよ)


私 (そうね。私達・・どうなっちゃうのかしらね?)


自分 (・・・・)


僕 (・・・・外に出てみないか?)


俺 (そんなの無理だよ!!)


僕 (でもこのままだと死んじゃうよ?現にもうみんな弱ってきてるじゃないか・・・)


俺 (・・・・)



6時間後


俺 (死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたい。いや、死にたくない)


私 (もう限界だわ!外に出ましょう!)


俺 (・・・いやだ)


僕 (死にたいのか?)


俺 (・・・・・いや・・・・・死にたくない)


僕 (なら出るしかない。お母さんはもう戻って来ないんだ)


俺 (うぅ・・・嫌だ・・・・)


私 (・・・・)



6時間後


俺 (外に出よう・・・)


自分 (・・・外からカレーの匂いがするッスよ!行きましょう!)


フラフラと外へ出る


俺 (くっ・・・ゲボッ)


胃液吐く


俺 (出なくちゃ。出なくちゃ。出なくちゃ)


僕 (ん・・・?なんだいあれは?・・・売り地?って貼ってある・・・)


私 (・・・この家売りに出されたの?もしかしてお母さんは夜逃げしたの?)


俺 (嘘だ!そんなはずはない!うっ・・・)


自分 (とりあえず今は何か食べないと死んでしまうッスよ!)


俺 (・・・行こう)



カレー屋に着く


あなた 「どちらのメニューになさいますか?」


俺 「か・・か・・・か・・・」


あなた 「・・はい?」


俺 「かかかかかカツカレー」


あなた 「かしこまりました」


私 (やったわね)


自分 (もう待ちきれないッスよ!意識が朦朧としてきました!)


僕 (でもお金はないけどどうするつもりだい・・・)


俺 (まあいい。とりあえず食べよう。今はそれしか考えられない)


あなた 「お待ちどうさまでした。カツカレーになります」


モグモグ

ゴクゴク

モグモグ

ゴクゴク


モグモグ

ゴクゴク

モグモグ

ゴクゴク


俺 (はぁ・・う・・うまかった)


あなた 「プラス300円でお代わりも出来ますが、どうなさいますか?」


俺 「あ・・・・・・・・・・はい」


僕 (おい!何言ってるんだよ!一銭も持ってないんだぞ!?)


俺 (あ・・ああ・・・すまん、断れなかった)


ゴクゴク

モグモグ

ゴクゴク

モグモグ


俺 (はぁはぁ・・・う・・・うまかった)


自分 (いやーうまかったッスね!)


私 (ほんと。もうお腹パンパン)


僕 (さて・・・どうする?金・・・)


俺 (あ、ああ。どうしよう・・・)



20分後


あなた 「お皿、お下げしてよろしいですか?」


俺 (あ・・・・・・はい)


ガチャ

ガチャ



30分後


あなた 「申し訳ございません、そろそろ閉店の時間なんですがお会計よろしいですか」


俺 「あ・・・・は・・・・・はい(どうしよう・・・・)」


俺 (「俺のカレーでも食ってろ!ブリブリブリー!!」なんて言えるわけないし・・・)


私(何バカなこと考えてるの?今そんな場合じゃないでしょ?)


俺 (ああ・・・そうだな)


自分 (もう素直に謝るしかないッスよ!すみませんでした!皿洗いでもなんでもして働いて返します!って)


僕 (ばか、そんな長い文章言えるわけないだろ、俺が)


俺 (そ・・そうだな。どうしようどうしようどうしよう)


あなた 「お客様?どうなさいました?」


俺 「・・・・・・・」


俺 (それにしてもこのウェイトレスさん綺麗だな・・)


私 (確かに目鼻立ちは整ってるわね。こんな綺麗な人見たことないわ)


あなた 「お客様!?」


俺 「・・・あ!はい!・・・・・あ・・あ・・あ・・・す・・すみませんでした!」


バッ


タッタッタッタッタッ


僕 (バカ!何逃げてるんだよ!!)


俺 (うわ!何やってるんだ!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい)


私 (・・・バカねぇ)



家、自分の部屋にて


俺 (はぁはぁはぁ・・・何やってるんだ俺は・・・途中頭が真っ白になって・・・わけわかんなくなって・・・気が付いたら逃げ出してた)


僕 (俺はいつも逃げてばっかりじゃないか!自分からも現実からも!どうするんだよ!?ふざけんなよ!?)


私 (落ち着いて、もうやってしまったことだからもうしょうがないわ。今からでも遅くないから謝りに行きましょ?ね?)


俺 (うん・・・謝りに行こう・・・でもどっちにしろ金はない・・・どうしよう)



12時間後


俺 (・・・あ・・もう朝か・・・。よし、謝りに行こう)


僕 (もしも捕まったらどうする?金だってないじゃないか)


俺 (・・・いや、もう決めたんだ。店にもあの子にも迷惑をかけた。もう逃げたくない・・・金はなくても謝りにだけでも行くよ)


私 (俺・・・)



カレー屋の前にて


俺 (・・・・どうしようどうしようどうしよう緊張してきた緊張してきた緊張してきた)


僕 (やっぱり引き返さないか?このままだったら捕まってしまうのは目に見えてるよ)


私 (・・・そうね)


自分 (・・・ゴクリ)


俺 (どうしようどうしようどうしようどうしよう帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい)



誰かが肩を叩く


トンットンッ


? 「・・あの?」


俺 「うわ!だだだだだ誰だ!?・・・あ・・・・昨日の・・ウェイトレスさん!?」


あなた 「ちょっとこんな所で何やってるですか?お金、昨日店にバレないように私が払っといたんですよ。黙っといてあげますからお金だけは払って下さい」


俺 「す・・・すみませんでした!あ・・・あ・・・謝りに来たんです」


涙が滝のように流れはじめる


俺 「すびませんすびませんすびません」


あなた 「ちょっと・・・大丈夫ですか?とりあえずひとけのない裏路地に行きましょう?ね?)


二人で裏路地へ行く


俺 (はぁ・・・俺は何やってるんだ・・・情けない・・・ううっ・・死にたい)


私 (彼女、仕事大丈夫なのかしら?)


僕 (でも今日は私服だな?なぜだろう?ちょっと俺、仕事中抜け出して大丈夫かどうか聞いてみろ)


俺 「し・・・し・・・・し・・・仕事中なのにだ・・・だ・・だだだだ大丈夫なんですか?」


あなた 「大丈夫。今日は忘れ物取りに来ただけですから。それよりそちらこそ大丈夫ですか?急に泣き出してびっくりしちゃいました・・」


俺 「あ・・・だ・・大丈夫です。すみません(なんて優しい人なんだ。まるで天使のようだ・・・)」


あなた 「お金・・ないんですか?」


俺 「あ・・は・・・はい。すすすすみません・・・」


あなた 「いいですよ。お金のことは。それよりももう二度とあんな事やっちゃダメですよ?約束ですよ?」


俺 「は・・・はい絶対にもうやりません」


あなた 「約束してくれます?」


俺 「や・・や・・・約束します」


あなた 「よかった。じゃあ今度は是非、お金を払って店に来て下さいね!」


俺 「は・・・・はい」


あなた 「じゃあまたね!さようなら!」


俺 「は・・・はい・・・。あ!・・あの!?」

あなた 「ん?」


俺 「あ・・・ありがとう」


あなた 「どういたしまして!」



自室にて


俺 (はぁ・・・綺麗な人だったなぁ)


私 (恋でもしたのかしら?笑)


俺 (そそそそんなことないよ!馬鹿言うなよ!俺なんか・・俺なんかがそんなこと言う資格はないよ)


僕 (でも良かったな、捕まったりしなくて)


自分 (本当ッスよ!今日はいい日ッスね!あんな綺麗な人とも話が出来たし)


俺 人と話をしたのも本当に久しぶりだ・・・)


私 (でもこれからどうしようかしら。現状はまだ何にも変わってないわよ)


俺 (そうだな・・・この家が売りに出されてるなんてな・・・)


自分 (自分、また腹が減ってきましたよー!)



俺 (お母さん・・・俺を置いて何処に行ってしまったんだろう・・・まあ仕方ないか。俺は荷物だったんだ)


私 (・・・元気を出して、俺)


僕 (でも実際問題、なるべく早く僕達もこの家を出て行かないとな。この家はもう売りに出されてるんだ。まだ僕達がここに住んでいることは業者の人達は知らないだろう)


俺 (・・そうだな。出ていかなくちゃいけないのか・・・。でもお金もないのにどうすれば・・・)


僕 (何処かに住み込みで働かせてもらうしかないかな・・・)


俺 (働かせてもらう・・・無理だよ、そんなこと・・・ううっ死にたい)


私 (でも、それ以外に選択肢はないわ・・・)


俺 (・・・・・)


俺 (・・・・・)


私 (ねぇ)


俺 (・・・・・)


私 (ねぇってば!)


俺 (・・・ん、なんだい?)


私 (まさか、死ぬことなんて考えてないでしょうね?)


俺 (・・・・・いや・・死にたいよ。俺がこの先必死に生きていくイメージが湧かないんだ・・・・)


私 (ちょっとなに言って・・・)


僕 (・・・)


自分 (・・・)


俺 (でもね、死ぬ前に一つだけやりたいことがあるんだ)


私 (・・・なに?)


俺 (あの子に恩返しがしたいんだ。それまではどうにかしてでも生きたい)


私 (俺・・・)


俺 (だから明日の朝、ここを発って住み込みで働ける仕事を探しに行くよ)


僕 (ずいぶんとたくましくなったじゃないか俺。恋の力か?笑)


俺 (そ・・そんなんじゃないよ)


自分 (いいッスねー!俺さんどんどんカッコ良くなってますね!)


私 (それはないかな笑)


俺 (な・・・!)


私 (とにかく俺が元気になって良かったわ。明日早く起きなきゃいけないから今日はもう寝ましょう)



8時間後


俺 (興奮して結局一睡も出来なかった・・。さてと・・・体を綺麗にしたし髪も切って髭も剃った。服も死んだ父さんから貰った服が何着かある。必要な持ち物はすべてリュックにしまった)


私 (準備万端ね)


僕 (金はないけどな)


自分 (腹もペコペコですしね)


俺 (今は辛いけど我慢しよう。きっと全てうまくいくさ!さて、行こうか)


私 (ええ)


僕 (おう)


自分 (はい)





2ヶ月後




白い肌

甘い瞳

あなたは

あなたはなぜこうも美しい

思いは募るばかり~


あなた 「あ!この間の!お久しぶりです!」


俺 「あ!おおおお久しぶりです(なんも自分で作った変な歌ってる時にばったり会わなくても!聴かれてないかな?はずかしい!・・でも嬉しい!やったああああ)」


あなた 「何してたんですか?」


俺 「ちちちちちょっと散歩・・・・・あ!お、お金返します!」


一万円を差し出す


あなた 「こんなにいいですよ!たしか代金は1300円でしたよね?」


俺 「いや、う、受け取って下さい!せ、せめてものお礼です!(代金まで覚えててくれたんだ)」


あなた 「いや、代金分以上は受け取れませんよ!」

 

俺 「・・・・じ・・じゃあ何かご馳走させて下さい!(言ってしまった!断られる、絶対断られる!)」


あなた 「・・・じゃあお言葉に甘えて」


俺 「・・・・え?ほほ本当にいいんですか?」


あなた 「え?いや、すみません、嫌だったらいいんですよ」


俺 「いいい嫌じゃありません!とても嬉しいです!いいい今時間ありますか!?」


あなた 「これといった用事もありませんし大丈夫ですよ。ちょうどお腹へってたんです笑」


俺 「で、では行きましょう(やったああああああ)」



店内


あなた 「この2ヶ月間そんなことがあったんですか」


俺 「は・・・はい。でも今はそこもクビになっちゃって無職です」


あなた 「でも2ヶ月前とまるで別人みたい。すっかりたくましくなりましたね」


俺 「は・・は・・はい、い、いろんな仕事をやってきたんで。でも全部すぐクビになっちゃいました。で、でもなんとか生きてます(あなたに会う為だけになんとか生きてきたんですよ)」


あなた 「そう・・・今、どこに住んでるんですか?」


俺 「こ・・・ここの近くにある、前の仕事先の寮に」


あなた 「でもいつまでも住めないでしょう?」


俺 「は、はい・・もうすぐ追い出されます」


あなた 「・・・・じゃあわたしの仕事先に雇ってもらえるか聞いてみましょうか?うち、寮もついてますし」


俺 「・・・え?いいいいんですか?(えー!!)」


あなた 「いいんですよ。まだ働けるかどうか分からないですけどね。でもいつも人手は不足してますし、多分大丈夫だと思いますよ」ニコッ


滝のように流れる涙


俺 「あ・・ありがどうございまず」


あなた 「俺さんは本当に泣き虫ですね笑」



帰り道


あなた 「今日は楽しかったです。ごちそうさまでした。仕事の事は明日には分かると思うので、分かったら連絡しますね」


俺 「は、はい」


あなた 「俺さん、一緒の職場になったら頑張りましょうね」


俺 「いいい一生懸命頑張ります!(あなたの為に)」


あなた 「ではまた」ニコッ


俺 「さ・・さようなら(なんて可愛い笑顔なんだ、俺なんかには眩し過ぎるよ)」



寮にて


私 (やったじゃない!彼女俺に気があるんじゃない?笑)


俺 (そ、そんなことあるわけないよ!)


僕 (でも本当に良かったな!仕事のことも!)


俺 (そうだね、でもまだ決まるかどうかは分からないけどね)


自分 (あそこの料理うまかったッスねー!ちょっと高かったッスけど!)


俺 (うんちょっと俺には高かった!笑。でもあなたさんのあんな笑顔が見れたんだから後悔はないよ!美味しそうに食べてたなー、あなたさん・・・)


私 (でも俺にしては随分思い切ったことしたじゃない!食事に誘うなんて。意外とやるわね!)


俺 (とっさに口から出ちゃったんだよ。まさかOKしてくれるとは思わなかったな!絶対に断られると思った!)


僕 (このやろう、ニヤニヤしやがって!笑)


俺 (今日くらいこの幸せを噛みしめさせてくれよ!笑)


私 (・・・・・)



翌朝


俺 (あなたさんと連絡先を交換出来るなんて夢にも思わなかったな・・・最近携帯買っといて良かった!まだ誰からもかかってきたことないけど!・・でも今日かかってくるんだ!)ニヤニヤ


僕 (昨日からずっと携帯握ってニヤニヤしてるな!いい加減気持ち悪いぞ?笑)


俺 (うるさいよ!笑)ニヤニヤ


自分 (昨日から俺さん随分と機嫌がいいッスね!なんかいいことでもあったんスか?)


私 (自分は本当に鈍感ね!どうやったらそういう風に育つのかしら!?)


自分(え!?何のことッスか!?)


僕&私 (あはははは!笑)


ピロロロロロロ


俺 (!!!)



俺 「は・・・はいもしもし」


あなた 「あ、俺さんですか?あなたです!昨日はどうも。仕事の件で電話しました」


俺 「は・・はい!」


あなた 「とりあえず面接をするみたいなので、今日の17時からって空いてますか?」


俺 「は・・はい!」


あなた 「じゃあ今日の17時に店へ来て下さい」


俺 「はい!・・・・」


あなた 「・・・・あ、それだけです!今日わたしも仕事なのでまた会いましょう。ではまた」


俺 「は・・はい!!」


ガチャ


俺 (はいしか言えなかった・・・・うぅ・・・気が効いたこと一つも言えなかった・・・・ああダメだ俺は・・・あなたさんに悪いことをした・・・)


僕 (そんなに落ち込むなよ?それより今日の面接頑張れよ)


俺 (あ・・・ああ)


私 (元気を出して?私たちは俺の味方よ?)


俺 (ありがとう・・・よし、面接頑張るぞ)


私 (それでこそ俺だわ!)


自分 (頑張って下さい!俺さん!)


俺 (みんなありがとう)



16時50分


あなた 「いらっしゃ・・・あ、俺さん!」


俺 「ど・・どうも」


あなた 「奥に入ってもらっていいですか?」


俺 「は・・はい!」


あなた 「頑張って下さいね」ニコッ


俺 「がががが頑張ります!」



奥の部屋にて


店長 「どうも初めまして俺さん、店長のタナカと申します」


俺 「は・・・はははは初めまして(どもってしまった!気を付けなきゃ)」


店長 「あなたさんの知り合いということですが、どういった仲なのですか?」


俺 「・・・・・と、友達です(友達なのかな?あなたさん迷惑じゃないかな)」


店長 「そうですか!あなたさんの友達ということなら心配ないですね!面接はこれで終わりです。これからよろしくお願いします。寮も古いですが使っていいですよ!でも家賃は払って下さいね!」


俺 「あ、ありがとうございます!(まずい、泣きそうだ、泣いちゃだめだ泣いちゃだめだ!)」


店長 「・・・実は、俺さんの事情はあなたさんから少し聞いていましてね。あなたさんには言っちゃいけないって言われてるんですが、あなたさん、俺さんを雇ってくれるよう、わたしに土下座までして頼んだんですよ。本当にいい友達を持ちましたね、俺さん」


俺 「え・・・・・は・・・はい」


滝のように流れる涙


店長 「覚えることはたくさんあるので頑張って下さいね!遅刻、無断欠勤は厳禁ですよ!」


俺 「がんばりまず」



帰り道


あなた 「どうでしたか!?」


俺 「わっ!びっくりした!も・・もう仕事は終わりなんですか?(制服も可愛いけど私服も可愛い・・・)」


あなた 「今日はわたし、17時までだったんですよ。で、どうでした?」ニコニコ


俺 「う・・・受かりました!ありがとうございます!!(今すぐ抱き締めたい)」


あなた 「やったー!頑張りましたね!俺さん!」


俺 「あ、あなたさんのお陰ですよ。本当にありがとうございます(あなたさんの顔を見てるとまた涙が出そうになってきた・・・)」


あなた 「あ、それとこれからはお互い敬語は止めませんか?仕事先でも友達って事になってますし・・って本当に友達ですけどね」ニコッ


俺 「は、はい!分かりました!」


あなた 「全然分かってないじゃないですか!笑」


俺 「あ、あなたさんこそ笑!」



2ヶ月後


寮にて


俺 (ん・・朝か・・・昨日は仕事先の人達と飲んでたんだよな・・・。ちょっと飲み過ぎたかな、頭が痛い)


私 (そうよ!私あんなに止めたのに)


僕 (そういえば俺、あなたを口説いてる男を本気で嫌そうな顔で見てたな!笑)


俺 (うん、何だか無性に腹が立って。でもどうしようもないから酒ばっかり飲んじゃった)


僕 (情けないなー笑!俺の女に手を出すな!ぐらい言っちゃえばよかったのに!最近、あなたと仲良さそうじゃないか。昨日だってちゃっかり二人で帰ってたし)


俺 「そそそんなんじゃないよ!あなたは俺なんかには勿体無いよ」


私 (・・・・)



その日職場にて


俺 「いらっしゃいませー!ご注文は何になさいますか?」


客 「んー・・・じゃあカツカレーで」


俺 「かしこまりました。ご注文は以上でよろしいですか?」


客 「うん」



3分後


あなた 「お待たせいたしました、こちらカツカレーになります」


客 「・・ん?お姉ちゃん可愛いね。年はいくつなの?」


あなた 「いや、えっと・・・・二十歳です・・」


客 「おじさん、お姉ちゃんみたいな可愛い子には目がないんだよね。彼氏とかいるの?」


あなた 「いや・・いませんけど・・・」


客 「仕事何時までなの?奢ってあげるからどっか行こうよ」


あなた 「ちょっと・・・それは困ります」


客 「なんでよー?おじさんこう見えて、結構お金持ってるんだよ?ちょっとだけでもいいからさ。ね?」


あなたの腕を掴む


あなた 「ちょっと・・・やめて下さい・・・・」


俺 「お客様、お代はけっこうですから帰って下さい」


客 「何だよお前は?おれはこの姉ちゃんと話してるんだよ!」


俺 「腕を放して下さい」


俺、客の腕を掴む


客 「おれに気安く触ってんじゃねえよ!」


俺、客に殴られる


あなた 「ちょっと何してるんですか!!放して下さい!」


あなた、客の腕を振り払う


客 「何だよお前も!ちょっと誉められたからって自惚れやがって!!」


客、あなたを殴る


あなた 「きゃっ!・・・」


あなた、床に倒れる


俺 「てめえ!!」


俺、客に掴みかかる


客 「なにすんだ!おれは客だぞ!?」


店長 「ちょっと何やってるんだ俺!!お客様もお代はいらないので帰って下さい!!これ以上ここにいると通報しますよ!?」


客 「ちっ・・こんな店出てってやるよ!!」


客、店を出て行く


店長 「・・・俺君、ちょっと奥の部屋に来てくれ」



奥の部屋にて


店長 「・・・自分で何をやったか分かってるのか?いくらあっちが手を出してきたからって絶対にお客様には手を出しちゃいけないんだ・・・・悪いが、見ていた人もいたし、店の評判にも関わるので今日限りで君はクビだ」


俺 「はい・・・今まで御世話になりました」


店長 「それと・・・あなたさんを大切にな」


俺 「え?」


店長 「さっきの君の行動は従業員としては最低だった。しかし、男としては悪くなかったぞ・・・。悔しいが少しかっこ良かったぞ、さっきの君」


俺 「でも、俺とあなたはそんな関係じゃ・・・」


店長 「いいんだよ、おれには分かってるんだから。・・でもクビの件は分かってくれ。おれにも立場があるんだ。」


奥の部屋にあなたが入ってくる


あなた 「違うんです!俺君は悪くないんです!私を助けようとして!!」


俺 「いいんだよ、あなた。客に手をあげた店員がいると店の評判は悪くなるんだ。今日で俺はこの店を辞めるよ」


あなた 「でもっ・・。店長も辞めさせるなんてひどい!」


店長 「・・・・」


俺 「いや、店長の判断じゃないよ。俺が決めたんだ。ね?店長?」


店長 「・・・・」


俺 「ではそろそろ出て行きます。今までありがとうございました」


店長 「おう。あと、さっきの約束忘れるなよ」


店長、ウインクする


俺 「は・・はい」


俺、ウインク仕返す


あなた 「??」



帰り道


あなた 「待って!はぁはぁ」


俺 「どうしたの?」


あなた 「今日は途中で帰っていいって店長が・・・」


俺 「そ・・そうなんだ(店長・・・)」


あなた 「・・・・今日は私のせいで・・ごめんなさい」


涙ぐむあなた


俺 「あなたのせいじゃないよ!」


あなた 「・・でもありがとう。嬉しかった」ニコッ


俺 「・・・・こ、この後予定ある?」


あなた 「え?ないけど・・」


俺 「海でも行こっか」


あなた 「いいね!行こう行こう!」



海にて


俺 「もう涙は治まった?」


あなた 「うん!でも潮風に当たって涙の跡がヒリヒリする!笑」ニコニコ


俺 「そっか笑(か・・可愛い)」


あなた 「夜の海って綺麗だね」


俺 「そうだね(あなたの方が綺麗だろ、どう考えたって)」



ザバー


ザバー


ザバー



俺 「・・ねえ?」


あなた 「なに?」


俺 「・・・好きだ」


あなた 「・・・え!?風の音がうるさくて聴こえない!」


俺 「な・・・なんでもない!(何言ってるんだ俺は!つい口から出てしまった・・)」


私 (・・・・・)


あなた 「・・・またこうやって会えるかな?」


俺 「も、もちろん!毎日でもあなたとなら会いたいぐらいだよ!」


あなた 「・・・え?」


俺 「いや・・そういう意味じゃなくて、あの・・・(やばい、どうしよう!)」


僕 (頑張れよ!今しかないぞ!)


私 (いや・・焦ることないわよ!ねぇ?)


自分 (いや、今しかないッスよ!俺さん頑張って下さい!!)


私 (・・・・)


俺 「・・・いや・・本当はそういう意味だよ。あなたといつも一緒にいたいと思ってる。あなたと会えたから俺はこれまで頑張ってこれたんだ。あなたのいない生活なんてもう考えられない。俺はあなたとずっと一緒にいたい!」


あなた 「・・・・」


俺 「変なこと言っちゃってごめんね・・・嫌だったらいいんだよ」


あなた 「嬉しい・・・」


涙ぐむあなた


あなた 「わたしも俺君とずっと一緒にいたい」


俺 「ずっと渡せなかったプレゼントがあるんだ。いつも持ち歩いてたから入れ物がクシャクシャになっちゃった笑」


バックからプレゼントを取り出す


俺 「最初、あなたが助けてくれた時に何かあなたに恩返しをしたいなって考えてたんだ。それで、その後働き始めて最初の給料で買ったんだよ」


プレゼントを渡す


あなた、入れ物から中身を出す


あなた 「これ・・・ネックレス?」


俺 「そんなに高い物じゃないけどね笑。あなたに似合いそうだなって思って。趣味に合わなかったら捨てちゃっていいよ笑」


あなた 「ううん、すごく可愛い。一生大事にする」


俺 「良かった・・・」


あなた 「ありがと」チュッ


俺 「うわ!びっくりした!」


あなた 「ひどい!避けるなんて!笑」


俺 「初めてだったからびっくりしちゃったんだよ!ごめん!笑」


あなた 「わたしもだよ、へへへ」ニコニコ


俺 「へへへ(うっ・・・可愛い・・)」


私 (・・・・)



二週間後


俺 (新しいアパートも借りたし、なんとか仕事も見つかった。今日は午後からあなたとデートかぁ・・・)ニヤニヤ


僕 (いつも気持ち悪い笑みを浮かべやがって!笑)


自分 (本当ッスよー!笑。でも5ヶ月前が嘘のようッスね!)


僕 (そうだな・・人って変われるんだな。・・・お母さん元気でやってるかな)


俺 (・・・うん、きっと元気でやってるさ!)



天気の良い昼下がり

公園にて


あなた 「あははは、ばっかじゃないのー!笑」ニコニコ


俺 「なんだとー!笑」ニコニコ


私 (・・・・)


僕 (どうしたんだよ私?最近黙ってばっかりじゃないか?)


私 (・・・なんでもない)


自分 (そういえばそうッスね!?何かあったんスか?)


私 (なんでもないって言ってるでしょ!!)


あなた 「うふふふ」ニコニコ


私 (・・・・・)



その日の夜


僕 (今日も随時楽しそうだったじゃないか、俺?)


俺 (そうかー?笑)ニヤニヤ


自分 (そうっすよ!ずっとニコニコしてたッスもん!いいッスねー!)


私 (でもあんまり浮かれてると痛い目見るかもしれないわよ?)


俺 (そ、そうかな?)


僕 (どういうことだよ、私?)


私 (だって・・・つい5ヶ月前まで引きこもりだったのよ?あなたをいつまでも生きがいにしてると、いつかあなたが去って行ってしまった時、生きていけなくなっちゃうわよ・・・)


僕 (なんだー?笑。妬いてるのか?笑)


私 (妬いてなんかいないわよ!!私はただ俺が心配で・・・)


俺 (心配してくれてありがとう私。でもそうならないようにあなたに相応しい男になれるよう、頑張るよ俺)


私 (・・・ならいいんだけど)



数日後のデートにて


あなた 「今日も楽しかった!」ニコニコ


俺 「俺もだよ」ニコニコ


あなた 「へへへ。笑」


チュッ


あなた 「また今度ね!バイバイ」ニコッ


俺 「ま、またね!(ああ、帰りたくないな・・もっと一緒にいたいな)」



アパートにて


俺 (はぁ・・・あなた・・)ニヤニヤ


私 (・・・今日1人になりたくないって考えてたでしょ?俺)


俺 (ん?あぁそうだったかな・・なんで?)


私 (私達がいるのにそれはないんじゃないの?私達なんていなくてもいいのね?)


俺 (おいおい・・どうしちゃったんだよ私?最近変だよ?)


私 (・・・なによ!私の気も知らないで!!・・・・もう知らない!!俺なんて大嫌い!!)


・・・・スッ


俺 (お・・・おい、私!?私!!?どこ行っちゃったんだよ?あれ?みんな?・・・誰もいなくなってしまった・・・)



3日後


俺 (まだみんないなくなったままだ・・。結局3日間家から出れなかった・・・。一人ってこんなに寂しいものだったんだな・・・・。久しぶりだよ、こんな気持ちは)



さらに3日後


ピロロロロロ


俺 「・・・はい」


あなた 「どうしたの!?最近全然連絡が繋がらなかったけど!?」


俺 「いや・・・ごめん」


あなた 「・・・大丈夫?今からアパート行っていい?」


俺 「・・・いや、今はちょっと・・・」


あなた 「そう・・・。わたし俺君の事が心配」


俺 「ごめん、今度またかけなおすよ・・・」


プツッ・・・ツーツーツー


俺 (俺はいったい何をやっているんだ・・・あなたが心配してくれているっていうのに・・・。でも今、外の世界に出ると心がバラバラになってしまいそうなんだ。)


俺 (まだみんないなくなったままだ。あれからずっとアパートの中で引きこもっている。まるで5ヶ月前に戻ってしまったようだ。みんな・・・・)


俺 (5ヶ月前と違う点は本当に一人ぼっちだってこと。みんながいなくなるとこんなに寂しいんだね。みんなのありがたみを忘れていたよ。みんな・・・帰ってきてくれ・・・。俺はいったいどうすればいいんだ・・・)



3日後


俺 (ううっ・・・ろくに飯も食っていなかったら意識が朦朧としてきた・・・。仕事もとっくにクビになってるだろうな・・・・。あぁ・・・俺はもう駄目かもしれない・・・・)





僕 (いや、まずいだろこのままじゃ・・しっかりしろよ!俺!!)


俺 (!!ぼ・・僕!?)


私 (一人にさせてごめんね)


俺 (私!!)


自分 (ただいまッス!)


俺 (自分!!)


滝のように流れる涙


私 (俺・・・・急にいなくなってごめんなさいね。実は私達は3年前に俺の頭の中で生まれたの。それは、俺が私達を必要としていたから。でも最近、私のせいで私達のバランスが崩れてしまって私達の命が弱まってきているの・・・)


俺 (そ!そんな・・・)


私 (ごめんなさい・・・それは私があなたに恋をしてしまったせいなの・・・・。みんなで俺を応援していたはずなのに、いつの間にか私・・・俺を一人占めしたくなってきているの・・・・)


僕 (・・・・)


自分 (・・・・)


私 (ごめんなさい・・・本当にごめんなさい・・・うっうっ)


俺 「泣かないでくれよ私!またみんなで一緒に暮らそうよ!俺が出来ることならなんでもするから!!」


私 「・・・ごめんなさい、私も本当にそうしたいわ。でももう無理なの。もうすぐ私達は消えてしまうわ。それに私・・・これ以上俺の中にいると俺に迷惑をかけてしまうと思うわ・・・。」


俺 「そんなことないよ!俺一人じゃ生きていけないよ!!頼むから消えるなんて言わないでくれよ!!」


私 「俺はもう一人なんかじゃないわよ?側にあなたがいるでしょ?これからはあなたと一緒に生きていくのよ・・・悔しいけどあの子、本当にいい子よ。私が保証するわ」


僕 「うん、僕もそう思うよ」


自分 「自分もッス。あんないい子見たことないッス!あんなに可愛い子もね!笑」


俺 「ううっ・・・」


私 「しっかりしなさい、俺。俺はこれからあなたを守っていかなきゃいけないのよ・・・うっうっ」

俺「泣きながらそんなこと言うなよ!最期まで俺のことばっかり考えて!私は怖くないの?消えちゃうんだよ!?」


私 (・・・怖いわ。死んじゃうくらい怖い。でも俺が幸せになってくれるならそれでもかまわない)

僕(僕もだぜ)


自分 (自分もッスよ)


俺 (みんな・・・)


僕 (・・じゃあな。そろそろ僕達はいなくなるよ!元気でな!)


俺 (・・・そんな・・・)


自分 (さようなら!頑張って生きていくんスよー!)


俺 (・・・うん)


私 (・・・・俺・・・うっうっ)


俺 (私・・・)


私 (元気でね・・・・)


俺 (・・・・うん)


私 (あなたを大切にね)


俺 (・・・分かった)


シュ・・・・





ピンポーン


俺 「・・・はい」


あなた 「心配だから来ちゃった・・・」


俺 「ありがとう。入っていいよ」


ガチャ


あなた 「おじゃまします」


グイッ


俺、あなたを急に抱き締める


あなた 「・・どうしたの!?」


俺 「・・・なんでもない」


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