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助っ人増量!ダブルバーガー…… B$11.00

「おはようございます! いやあ、朝からすみません!」

「いえいえ、お気になさらず。随分繫盛しているみたいで?」

「そうなんですよ~! ありがたいことに、開店から閉店までずーっと忙しくて。だから、こんな変な時間しか都合が合わなくて」

「そりゃいいことじゃないですか。まあ、おかけください」


 朝、七時二分。バーニーズ・タンドにある探偵事務所「ローファード・ハウス」に、一人の客人が尋ねてきていた。赤いトレーナーに、青いダメージジーンズ。ちょっぴりやんちゃな空気を纏った女性は、レモンイエローのツインテールを揺らしながら、愛想よく笑い、革張りのソファに腰かけた。


「改めまして。レッド・ロケット・ダイナーの店長をやっております、ルビー・ジェンキンスと申します」

「存じ上げていますよ。何せ、うちのじゃじゃ馬娘は、おたくのハンバーガーを随分気に入っているみたいですから」

「そうなんですか!? うれしいです~!」


 鼻歌を歌うみたいに上機嫌な声色でそう返すと、ルビーはこほん、と一つ咳ばらいをして、目の前に座る人物、ローファード・ハウスの代表、グレイ・リバースに向き直った。


「それでですね、依頼なんですが……」

「ええ、何でしょう」

「……正直に申し上げますと、人手が足りていなくてですね」

「ほう?」

「三日!! 三日だけでいいので! 手を貸していただけませんか……!?」

「かまいませんよ」

「えっ、良いんですか!?!?」


 ルビーは目を丸くして、控えめに叫んだ。


「便利屋みたいな扱い、とでも思われているんでしょうが、まあ、うちも客商売なんでね。伝手というのはいくらあってもかまわないんですよ。それに、探偵業で培った順応性、コミュニケーション力、対応力などに限らず、うちには若いのが揃っていますから……こう、体力的にね? 労働力としての価値についても、それなりの自負があります」


 グレイがにっこりと目を細めてそう伝えると、ルビーは「た、助かります~!」とグレイの両手をとって勢いよく上下した。


「丁度三日間、職業体験の生徒さんたちが来る予定なので、そっちのサポートに回る分、柔軟にその場その場で対応していける人が欲しかったんですよね~! しかも生徒たちを名指しした殺害予告がポリスに届いているっていうし……! その辺の一般人に頼むより、ある程度そういう方面にも対処できる人材がいたらな~、と思ってたんですよね! 若い方が来てくれるなら、きっと生徒さんたちとも打ち解けやすいだろうし、本当に助かります~!!」

「……ん?」

「えっと、明日は午後三時半にレクなどを開始する予定なので、それまでに店舗にいらっしゃっていただければと思います。……って、もうこんな時間! 私は店の準備があるので、そろそろお暇させていただきます。それでは、明日、よろしくお願いしますね~!」


 がちゃん、と扉の閉まる音に合わせて、置かれていたチラシがひらりと床に落ちた。グレイは彼女のスピード感に追いつけず、中途半端に右手を掲げたままである。依頼内容を頭の中で復習しながら、はて、と思う。途中、聞き捨てならない単語があったような気がするが。


「…………ま、いいか」


 そんな独り言をつぶやくと、ブラウン、ピンク、ブルー、三つの髪色を思い浮かべて、グレイはのんびり煙草をふかし始めた。

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