エターナル・ギャラクシー ~いいね地獄からの脱却~
タイトルはギャグなので
察してください
エターナルギャラクシー外縁、重力が安定しすぎて誰も重要視しない宙域に、宇宙レストラン《ループ&スプーン》はある。
理由は単純だ。
この銀河、客が不死身か概念かバグしかいないので、潰れない。
カイはそこで働いていた。
整備士だったはずだが、なぜか今はホール担当。本人も理由を覚えていない。覚えていないこと自体が、この銀河では正常だ。
「ご注文お決まりですかー」
声をかけた瞬間、やばい卓だと確信した。
ルナは椅子に斜めに座り、メニューを逆さに見ている。
「ねえ、これ写真詐欺じゃない?」
「それ、実物が概念だから」
「最悪」
ミラは姿勢正しく座り、全項目を三秒で読み終えていた。
「この店の最適注文を提示してください」
「無理です」
「なぜですか」
「人によって最適が違うんで」
ミラは一瞬フリーズした。
客観的最適が存在しないという状況に弱い。
そしてアオイ。
「え、ドリンクバー宇宙対応?」
「一応」
「じゃ銀河ソーダで」
どんな飲み物か誰も知らないが、彼女が頼むと必ず存在する。
厨房から、ありえない色の液体が出てきた。
「テンション上がるんだけど」
アオイは満足そうだ。
問題は接客ルールだった。
この店には一つだけ絶対の決まりがある。
客の存在論に踏み込まないこと。
だがルナはそれを破る。
「ねえカイ」
肘をついて、にやっと笑う。
「もしこの店が銀河の記憶に残らなかったら、どう思う?」
カイはトレイを置きながら答える。
「楽でいいな」
ルナは一瞬、言葉を失った。
この男、永遠を客席で雑に処理する。
ミラが割り込む。
「この店は銀河的に無意味です。存在理由が曖昧です」
店長(正体不明の多腕生命体)が即答する。
「うちは腹減ったやつに飯出すだけです」
評価関数、死亡。
アオイはポテト(どの文明にも存在する謎食品)をつまみながら言う。
「ここ、落ち着くね」
それが決定打だった。
エターナルギャラクシーは、
文明,破滅,永遠,最適化,ノリ
すべてを内包してきたが、
「普通に飯を食う場所」
だけは、想定していなかった。
ルナは気づく。
ここでは物語を壊す必要がない。
ミラは気づく。
ここでは正しい結末が不要だ。
アオイは最初から知っている。
「お腹すいたら意味とかどうでもよくなる」。
カイは伝票をまとめながら思う。
銀河の中心より、このホールのほうがよほど危険だ。
なぜならここでは、
誰も特別扱いされない。
エターナルギャラクシーの片隅で、
今日も《ループ&スプーン》は営業中だ。
宇宙は回っている。
だが今この瞬間、
とりあえずデザートが来ない。
AIにかいてもらったやつです
なんてこった。




