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大英博物館のヤハウェ

オフィーリアは泣き止んだ!チェチーリアが超宥めたから。

「ぐすっ服臭わないか?」

「臭わないっす!フローラルでオフィーリア先輩の可愛くて良い匂いっす!」よいしょしまくる後輩の苦労を知らずに機嫌を直す!

「そうか!良い匂いか!もっと嗅いでもいいぞ!」魔法で消毒と匂い付けもしたので匂いを嗅がなくても分かる。

「うわぁ~♪すごく良い匂いっす♪」優しい後輩をもって幸せ者である。

「よし!さっさとヤハウェの神像をぶっ壊すぞ!」そこで、ふとオフィーリアは思った。

思ったので、スライムの残骸の上を歩きながら聞いてみた。

「なぁ?何でヤハウェの像が大英博物館にあるんだ?」

「大英博物館が収蔵したからっす。」

「いや普通は無いだろ。十戒の偶像崇拝の禁止で作ってないんだから。」

「誰かが作っちゃたんじゃないっすか?教えに反してでも、崇拝したかったんじゃないっすか?」

確かにそうかも知れないが、今よりも宗教や神が身近だった昔に教えに反する者がいるだろうか。そんなことを考えながら歩いていると入口の反対側に着いた。

「さぁ、オフィーリア先輩。ここから下に2階分降りたらヤハウェの結界があるっす。」オフィーリアは階段の下を見た。明かりがしっかりとついていて、下層を見ることができる。

「なぁ、チェチーリア。前もスライムは大量にいたのか?」問われたチェチーリアは首を傾げながらマジックメモを取り出す。シックな赤色の手帳型でカッコいい!

「う~ん…聞いてないでっすね。かなり聞き込みをしたので、無かったんじゃないかと思うっす。スライムが何か関係あるんすか?」問い返すとオフィーリアはあると答えた。

「スライムが眷属の可能性だ!」堂々と発表する!が、チェチーリアは分かっていたようで、糸目をさらに細目て言った。

「はぁ…当たり前っす!スライムは下水や湿地などの湿気の多い所で発生するっす。ロンドンは上下水道を科学技術と魔法技術で管理されてるので、さっきスライムが大量に出たときにおかしいって言ったんすよ!」何言ってんだと言わんばかりに説明する。

「それに、ロンドンは最近乾燥していて、雨も降らないし、風も乾燥してるっす!スライムは絶対に現れないっす!」チェチーリアは断言する。

「眷属以外にあり得ないっす!問題はスライムを眷属とする神はいないってことっす!」驚きであった!スライムを眷属にしている神がいない?

「じゃあ?ヤハウェの神像って何なんだ?」

「分からないっす……だから、私たちが調べて破壊するっす!」決意が漲るチェチーリア。

「神話級の魔法と強力な結界、スライムが眷属の神像、上級魔法使いの連続での敗北……分かんねぇな?」首を傾げるオフィーリア。ただ、何か大切なことを忘れている気もする……

忘れる程度のことは大したことない!と切り捨てる。

考察さながら歩いていたら、-レベル2への階段にたどり着いた。

「この先4段目からヤハウェの結界っす……4段目を踏んだ瞬間に結界に取り込まれてしまうっす……」チェチーリアの顔に緊張の色が出る。オフィーリアはそれを見て緊張した。

オフィーリアはおもむろにストーンバレットの魔法を階段に向かって使った。他の魔法使いのそれより格段に大きい石?(岩)が階段に向かう。

チェチーリアは階段を壊す気だと思って血の気が引いた……その時不思議なことが起こった。

ストーンバレットの石?(岩)は4段目より下に進んだ瞬間に消えた!

「えっ!何すか今の?ストーンバレットが消えたっす!」階段は確かに見えているのに物が無くなった。

「ヤハウェの結界の情報はどこから来たんだ…」

「えっと確か?あれ誰っすかね?」

「たぶん、ヤハウェの神像自身だ。挑んだ魔法使いが全員死んでるのに情報がある時点で変だ。」

チェチーリアは息を飲んだ、自分もだがロードクラスの魔法使いが情報を誤認させられた事実に。

「じゃあ、ヤハウェの神像は神を越える能力があるんすか?まさか、ヤハウェ自身っすか!」

「ん~違うな。神にしては弱い。半神でもないな。ただ、神に匹敵する能力が1つか2つある奴だ。」オフィーリアは消えたストーンバレットから仮説を立てていく。

「1つは異空間系統の領域型能力。それも、侵入者に強制的に制限を押し付けてくるやつ。神はそんな小さいことはしない!」小さな人差し指を立てる。

「2つ目は、認識阻害。自身の事象について誤認させ、疑わせない。これは神に匹敵する超常の力。」中指も立てて2を作る。

「認識阻害は確定。異空間系統能力は不確定で神話級魔法も不確定。ただ、上級魔法使いが殺されたのは事実だから、何かしらの殺す能力を有している。」

「情報より弱い可能性が高いってことっすか?」情報を改竄・隠蔽する敵は情報より弱いケースが多い。チェチーリアは今までの経験から話したがオフィーリアは首を横に振った。

「逆にかなり強いと思うぞ!」さっきと矛盾してるとチェチーリアは思ったが続きを静かに待った。

「たぶん能力で隠蔽したのは異空間のことと自身の魔力だ。侵入者に制限を掛けるのはある。さらにそれ以外にまだある。眷属だな。」

「スライムっすか?」

「あぁ、あれだけの数を使役か召還するのは神に匹敵する魔力量だ!魔力をうまく運用できないみたいだけどな。」

「?」チェチーリアは何でそんなことが分かるのか分からず首を傾げる。

「ん?だって、スライムがまちまちだったし、内包する魔力量が違っただろう。眷属をうまく操作できてないんだよ。だから、ヤハウェの神像は情報より強いが、神や半神より魔力の使い方が拙いから弱い。」最後に「セコいしな!」と笑った。

チェチーリアは改めてオフィーリアを化け物だと思った。戦闘中の分析力、魔法の知識、そして今の不確定要素が多い場面での余裕の態度。頼もしくも不気味に思う。

「よし!準備したらいくぞ!」ポシェットからリップを取り出して唇を潤す。次に手鏡で確認して笑顔!リップと手鏡をポシェットにしまって、長剣を取り出す…………ん!

「えっ!そのポシェット、マジックアイテムだったんすか?」魔力を感じなかったが、確かに女の子の握りこぶし2つ分くらいの大きさのポシェットから1mほどの剣が出てきた。

「はぁ?普通のポシェットだぞ!整理したら入るぞ!」なぜか呆れられた……。

チェチーリアも準備した……。

さて、ヤハウェの神像とは……。

準備を終えた二人は階段を下りていく。

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