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ヤハウェの神像

「ヤハウェ」はユダヤ教の唯一絶対の神である。キリスト教、イスラム教の神と同一の存在だが、一番特徴的なのは、十戒の第1条の一神教と第2条の偶像崇拝の禁止である。他の神を認めず、かつ絵や像にしてはならないと言うものである。ゆえにヤハウェの像は存在しない。また、ユダヤ教の寺院にあたるシナゴーグはイギリス内にはあるが、ロンドンにはない。


もちゃもちゃ。ごく!うまい!

ロードエニグマに出されたユダヤの編みパン「ハラー」を食べながら話を聞く。ほんのり甘くて三つ編みみたいで可愛い。何よりうまい!

「本題ですわ。ヤハウェの神像の破壊について。」

厳かに言う幼い声音。

「ヤハウェの神像は大英博物館のレベル-2の倉庫に安置されていますわ。」

以外にも近場であり、時計塔の本部であるウェストミンスター宮殿からは2kmちょっとの距離だ。

「現在ヤハウェの神像は半具現化状態で停止中ですわ。半神状態で凄まじい魔力付きですけど…」スラスラとヤバめなことを話すロードエニグマ。

「ノイズお前がやればいいだろう。お前なら一瞬で半神程度なら蒸発させられるだろ。」半眼で幼女を見る。

「だめですわ。ヤハウェの神像を破壊するのは簡単ですが、すべて無くなってしまいますわ……」子犬のような濡れた瞳で少女を見る。

「?別にいいだろ。後で弁償すれば。」オフィーリアは首を傾げて何言ってんだコイツスタイルだ。

「アホ…」

「?」さらに首を傾げるオフィーリア。

「アホ、アホ、アホーリア!!!賠償金を考えやがれですわ!あんたが大量に物を壊すから、ロンドン領主にボコボコのギタギタに言われてるんですわ!」耳によく響く大声で超お怒りなロードエニグマ!

他の魔法使いが言われれば魂が凍りつくだろう。

「ムカつきますわ。心底ムカつきますわ。今までどれだけ賠償金を払ったか分かってるんですの!5000万£以上ですわ!(5000万£=95億円)」声で人を殺しかけない魔力のこもった音魔法がオフィーリアに殺到する。

オフィーリアはどこ吹く風で首傾げ中で一言。

「わりぃ…」

ロードエニグマの怒りが霧散する。

「はぁ…わたくしではジーニアスを殺せないし、あんたに頼らないといけないのも癪ですわ……」幼女の見た目でため息は年相応には見えない。

「ヤハウェの神像は現在上級魔法使いを13人殺しましたわ。大英博物館のレベル-2に入った瞬間に結界に囚われ魔法が制限されますわ。」疲れたようすで説明を再開する。

「制限レベルは5。最低レベルの魔法のみ使用可能状態でですわ。ヤハウェの神像は超級魔法を3発連続発動してきやがりますわ!」オフィーリアは少し興味を引かれる。超級魔法は上級魔法使いが数人集まって魔力を練り上げて発動が可能なものだ。超級魔法を連発できる存在は少ない。

「大英博物館のレベル-1から破壊すればい……くないよな。博物館壊したらな…!」空気は読めた。良かった。

「はぁ…普通の魔法使いでは無理でしたわ。だから、特徴な魔法使いであるジーニアスに依頼しますわ!わたくしロードエニグマからの報酬は『禁書:神の指』ですわ。」

『禁書:神の指』は時計塔の最高レベルの禁書の一つ。神話級魔法について書かれた魔法書で、文字通りの神の書物。

『禁書:神の指』にはライトニング系統の神話級魔法が記され、オフィーリアはライトニング系統魔法の最高レベルの魔法使いである。

「いや、先にくれよ!それの試し打ちで倒してやるよ!わたしなら余裕で倒せる!」自信満々でサムズアップ!

空気が揺れる…。楽器が音を出す…。ロードエニグマはキレていた!

「アホーリアァ~!!!今日こそ殺してあげますわ!!」魔法の詠唱が始まる。しかし、オフィーリアがロードエニグマに一瞬で肉薄する。

そして、手でロードエニグマの小さい唇を優しく押える。

「怒るなよ。可愛い顔が台無しだぜ。わたしも悪かったから謝るよ。ちゃんと任務も受けるから許してくれよ。」オフィーリアは小さいがお姉さんでイケメン少女なのであった。

「あっ!ずっズルいですわぁ…。」切ないため息を吐いて頬を染める幼女。


かくしてオフィーリアは「ヤハウェの神像破壊」の任務に着いたのであった。

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