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オフィーリア・ジーニアスの朝

ロンドンの裏路地

どちゅっ!どぶゅぢゅ!ずゅちずゅちずざぁ!

軟体の魔物。世界最弱。そう、スライムである。

「ぐぁっ!だずげっ…でっ!」

下級の魔法使いはスライムに喰われている。そう、スライムにである。

人々は認識違いをしている。世界最弱は人間である。寒さを防ぐための毛も無く、敵を倒す爪も牙も無い。

その点スライムは優秀である。補食した相手を消化する体液、物理攻撃を無効にする身体、下級魔法を使用し、種類によっては魔力に耐性もある。

弱い人間は勝てるはずが無い。

名も出なかった下級の魔法使いはスライムに消化されて死んだ。

スライムは上機嫌?で跳ね、次の獲物を探す。

じゅるじゅるずぅざ!パッッンっ!!

スライムは爆ぜた!小柄な少女が走って通っただけで。物理攻撃を無効にする生物なのに。


オフィーリア・ジーニアスは走る!

走って、走って、屋根を跳び、空を飛び、噴水広場に着地して走る!時計塔は目の前だ!ただ、出勤時間は過ぎている!過ぎているが、1秒でも早く…いや、刹那の時間でも早く!走る!走る!出勤!

「はぁっはぁっ…まっ……間に合ったか~良かった♪」間に合ってはいない!正確に言うと19分32.588秒遅刻である!家を出たときに気付いていた!

「姉さん…遅刻です…」スラッとして、出るところは出ている女性…妹のシャーロットに諌められる。

背中に滝のように汗が流れる…。走ったからでは無い…。

「今日で7日……。いわゆる1週間です!何で二度寝するんですか!何回も起こしたでしょ!」叱られるオフィーリア。周りの職員は笑顔だ。オフィーリアはよく妹に叱られるのだ。

「だって、ベッ…」

「ベッドは襲いかかりません!だってもかってもありません!言い訳を聞いてません。姉さんが何故遅刻したか聞いてます。」すべてを聞かずにオフィーリアの数年変わらない言い訳を叩き切るシャーロット。

「……ねっ」言い切る前に

「寝坊じゃないですか!やっぱり二度寝じゃないですか!」

「いや…三度寝かな…」

「………もっと悪いでしょ!!」

端正な顔立ちを真っ赤にして怒るシャーロット。

端から見れば姉が妹を叱る図だが、実際は逆でオフィーリアは小さいお姉さん、シャーロットは大きい妹だった。配管工の兄弟のようである。

「もう許してくれよ!凄い走ったし、途中でスライム倒したんだぞ!」涙目のお姉ちゃん。

「魔法使いましたね…」怒りの妹。

「ギクッ!つっ…使ってない……」目そらしお姉ちゃん。

「魔法は一般社会に浸透していますが、基本的に魔法は人の密集する地域では使用を………」説明妹。

「まっ!待ってよシャーロット!それ長いじゃん…もう100回は聞いたから大丈夫!わたしを信じろ!」グッドサインを作るお姉ちゃん?

シャーロットはオフィーリアの目を覗き込んで…。

「……使用を制限しています。魔法は便利ですが時に人を死にいたらしめる可能性があるからです。時計塔はそれを未然に防ぎ、違反者を捕縛します。公正な裁きで更正を促し教育します。さらに…………であるからして、姉さんは捕縛されます!」30分の講義はオフィーリアを捕縛した。


オフィーリア・ジーニアスの朝は基本叱られて、途中から怒られる。ルーティーン?であった。




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