石じじいの話・黄金の壺
石じじいの話です。
朝鮮での話だそうです。
ある山中に、石の蓋をした大きな壺がありました。
それは、大部分が土の中に埋もれていて、上の方が少しあらわれていたそうです。
これは、古墳ではないかと、地元の人は手をつけませんでした。
ある日本人の学校教員が、その蓋を開けてみると、中に、さらにもう一つ陶器の壺がはいっていました。
それを開いてみると、中に、さらに真っ黒の壺がありました。
これは銅製と思われ、蓋も金属でした。
非常に重い壺でした。
銀貨のような価値のあるものが入っているのではないかと、わくわくしながら蓋を開けてみると、その蓋の裏側に、
명
뼈
참
と読みとれる文字が彫りつけられていました。
壺の中には、水がたまっていて、少量の骨と朱が入っていました。
彼は、町へもっていって売ろうと思い、この金属の壺を持ち帰ったそうです。
町の骨董屋が言うには、これは、銅ではなく金だろう。
あまりのも価値のあるものだから、私は買い取れない。
その発見場所を管理する役人から証明書をもってこい、と言われて追い返されたそうです。
ある機関(大学か企業の工場)で調べてもらうと、確かに純金製で、相当な価値のものでした。
人々は、それは骨壷であり、祟りがあるのでは、と恐れたそうです。




