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石じじいの話・蒙古の呪術 (4)
この話には、残酷な描写が含まれています。
石じじいの話です。
現地の蒙古人から聞いたというシャーマンの呪術の話です。
後継者たるシャーマンは、先代から、オンゴドを受け継がれる。
先代のシャーマンが死ぬと、彼といっしょにオンゴドは一旦死ぬが、それを復活させる儀式を行う。
復活の儀式を後継者が行うのだ。
先代は、死ぬ前に、そのオンゴドを飲み込む。
当然、それは喉に詰まるが、そうすることによって、死につつある先代の心臓にオンゴドの霊が移動するのだ。
先代が死んだら、その死体の胸を、先代が使っていたナイフで切り裂いて、心臓を取り出す。
それを、先代の喉から取り出したオンゴドに入れるのだ。
さらに、先代の霊を後継者に憑依させるのだ。
<<この、憑依方法は、ノートに書き残されていません。>>
この話も、以前のシベリアのシャーマンの話に似ています。
シベリアの場合は、シャーマンの死体をバラバラにするということでしたが、ここでは、その霊力を受け継ぐために死体損壊の儀式となっています。




