石じじいの話・蒙古の呪術 (1)
石じじいの話です。
じじいが満州を旅したとき、現地の蒙古人から聞いたというシャーマンの呪術の話です。
シャーマンは、じじいに以下のように語ったそうです。
人の疾病には2種類あるのだ。
一つは、自然的、科学的な病気である。
もう一つは、「原因のある病気」である。
後者は、先祖の罰、タブー、巫病、悪霊のたたりによっておきる。
人間には404種類の病気がある。
そのうち101種類の病気を医者が治す。
101種類の病気をラマ僧が治す。
101種類の病気は自然に治る(自己治癒する)。
のこりの101種類の病気をシャーマンが治すのだ。
蒙古人は、霊魂は不滅で死後も活動すると考える。
死者の霊は生者に害や益をもたらすのだ。
こうなると、その霊魂は神の一種であり、オンゴンと呼ばれるようになる。
オンゴンは、善悪両方の性格を持っている。
悪人の死霊=悪霊は地上を彷徨して災いを与えることがある。
これが病気の元になるのだ。
これが、邪病である。
これを、呪術儀礼と治療行為で治すのだ。
オンゴンは、オンゴ、オンゴドとも言う。
「精霊」とか「墓」という意味だ。
また、「激烈な、威力がある、恐ろしい、神聖である」、という意味もある。
だから、「オンゴン・モド」とは、「精霊に捧げた木」、「主が宿っている神聖な木」という意味だ。
子供の私は、話をよく理解できず、記憶違いもあるでしょう。ご容赦ください。




