石じじいの話・じじいのロシア人の友人
石じじいの話です。
石じじいは、朝鮮に住んでいた時に、あるロシア人と知り合いました。以前にも、その人物の話がでてきました。
当時、そのロシア人は朝鮮と満州で広く商売をしていました。
ロシア(当時はソ連)との取引もあったようです。
彼は、ロシア帝政時代のオデッサで生まれて、コーカサス、中央アジア、シベリアと流れ歩き、モンゴル、満州をへて朝鮮に流れ着いたと話していたそうです。
商売に成功してたいへん富裕であり、教養のある理知的な人物でした。
大学で教育を受けたわけではなかったようですが、軍隊にいたことがあったということでした。
彼は、朝鮮語をよく話したので、じじいは、彼からいろいろな話が聞けました。また、何人かのロシア人やタタール人を丁稚として使っていたので、彼らからも興味深い話が聞けたそうです。
そのロシア人は、フランス語に堪能で、英語もかなりできたようです。
これは、じじいにはわからなかったのですが、知り合いの朝鮮人の医科学生がそう教えてくれたそうです。その医科学生は、そのロシア人からドイツ語やフランス語を学んでいました。
そのロシア人は、ゆくゆくは米国へ移住するつもりだ、と話していたそうです。
じじいが、彼や他のロシア人から聞いた話のいくつかを紹介しましょう。




