表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
石じじいの話  作者: Lefeld
75/608

石じじいの話・イスラムの幽霊

この話は、「イスラムの幽霊」というタイトルで、イスラム教における幽霊、霊魂について言及しています。

しかし、これは、非イスラム教徒の聞き伝えを子供の私が聞き取ったものであり、その内容の信頼性は非常に低いと考えられます。

この点をご注意ください。

石じじいの話です。


これは、知り合いのロシア人からじじいが聞いた話のようです。


イスラム教における「幽霊」というものを、アゼルバイジャン人が話してくれたことがあったそうです。

それは、バクー近郊の村での出来事についての話しから始まりました。

ある女性が、二人の孫にパンと牛乳を持っていこうと、別の村へ歩いていました。

その道中、かつて殺人事件が起きた場所に通りかかると、そこで、病気と思われる男が一人、「ああ、ああ、お父さん、お父さん」と泣き続けていました。

彼女は、その男の手をとり、元気づけて少し歩いたところ、突然、男は消えました。

彼女は恐ろしくなって泣いていると、たまたま同じ村に行く途中の男が通りかかり、彼女に何が起きたのかを尋ねました。

彼女が事情を話すと、その男は、自分も、ここでその幽霊に出会ったことがあるが、大丈夫だから心配しないように、と言ったそうです。

その幻影は、殺された男の幽霊だったのだ。

という話です。

ここから、そのアゼルバイジャン人は、こう付け加えました。

殺された人間の霊魂は、フクロウの姿で墓所の近くに現れ、その人のための復讐が行われるまで「飲み物をくれ」と叫び続けるのだ。

しかし、霊魂じしんが、その殺人者に復讐することはないのだ。

殺された人間の霊魂は、イリフトともジンとも呼ばれる。

人間の死は、肉体からの霊魂の分離であり、死の天使が、人間の肉体から霊魂を抜き取ることによって、人間に死が訪れるのだ。

また、人が死ぬと霊魂は頭から鳥となって離れるのだとも。

死者の霊魂は、復活の日まで鳥の姿をしている。

信心者の霊魂は、緑色の鳥の姿を、

不信心者の霊魂は、黒い鳥の姿をしている。

墓地でたくさんの小さな緑色の鳥をみると、それはそこに埋葬されている死者の魂である。

また、霊魂が犬や猫になることもあるのだ。

双子の場合は、死ぬと霊魂が猫に乗り移る。

また、霊魂は、木曜日か金曜日に、親類や友人の墓を訪れる。つまり、死者の霊魂が墓に戻ってくるのだ。

木曜日に死者が生きてきたときの自分の家を訪れることもある。

だから、その日は喧嘩するなと言われる。

なぜなら、戻ってきた死者が自分の家族が幸福でいることを見たがるからだ。

人の霊魂は、ナフスとルーフの2つがある。

ナフスは、眠っているときに一部が、そして、死ぬときに完全に消滅する。

つまり、その霊魂は、人が眠っている間にも、肉体から離れることがあるのだ。

眠りと死は兄弟なのだ。

もう一つの存在、ルーフは、生きている間は身体に付随し、死んだときに離れるが、それは存続するのだ。

このルーフは、風であるとも考えられていて、幽霊は風のかたちをしているのだ。


なんだか、よくわからない話です。

子供の私が理解できず、このような聞き取り内容になってしまったものと思われます。

実際に、イスラム教における幽霊、霊魂についての考えがこのようなものであるかどうかは不明です。おそらく、間違っているのでしょう。

ここでは、じじいのロシア人がイスラム教徒である(と考えられる)アゼルバイジャン人から聞いた話だ、ということで紹介しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ