石じじいの話・写真で生死を占う
石じじいの話です。
これは、じじいが石探しのために北海道訪れた際に、現地の人から聞いた話です。
みなさんは、写真で生死を占う方法をご存知でしょうか?
これは、広く知られている方法だと思います。
その方法とは:
目隠しをして、糸で吊るした硬貨を、ある人物の写真の上に持っていくと、生きている人の場合は、ぐるぐると硬貨が回転し、死んでいるとその人の顔や体の縦方向に、硬貨が揺れる、というものです*。
この話をじじいにしてくれた女性は、樺太の豊原市の生まれでしたが、北海道の砂川に住む伯父夫婦の家で伯母が体調を崩したので、家事の手伝いのために、北海道にやって来ていました。
ある日、彼女は、樺太の男友だち二人が写っている写真をつかって、この占いをしてみたそうです。
別に、彼女は、そのような占いを信じてはいませんでしたが、ホームシックになっていたので、こんなことでもやってみようかという気持ちになったのです。
やってみると、彼女が好意を寄せていた男性の顔の上で、硬貨は前後にゆっくりと揺れました。
彼女は、非常に心配になって、その日の夜は眠れなかったそうです。
翌朝、樺太の友人から、その男性が死んだことを伝える電報が届きました。
このことで、彼女は、この占いを信じるようになったそうです。
終戦となったときに、彼女は、まだ復員してこない兄に対して、それをやったところ、糸が切れて硬貨は兄の顔に落ちました。
とても不吉なことだと思って、彼女は、それをやったことを後悔しましたが、お兄さんは無事に復員してきたそうです。
後で、彼女が考えるには、これは、占いではなく、その占いをする人の思いが、占いの対象となる人物の運命に影響をあたえるのではないか、と。
このような、いかがわしいことには関わらないほうがいい、と彼女は力説していたそうです。
*原理としては、「コックリさん」に似ています。




