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石じじいの話  作者: Lefeld
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石じじいの話・火災を起こす石

石じじいの話です。


火災を起こした石があったそうです。

石じじいが石を探していたとき、ある人が珍しい石があったと教えてくれたそうです。

ある百姓が、野良仕事をしていました。

ちょうど夕暮れどきで、夕陽が森や畑を赤く染めていたのですが、気がつくと、夕陽に照り映えて特に輝いているように見えるところが畑の中にありました。

不審に思って、そこを掘ってみると、卵ほどの大きさの石があったのです。

それは黄色みががった白色の石でした。

家にかえって妻にも見せ、とても珍しいものだということで床の間に飾っておきました。

夜になると、彼が拾った石が光を放つので、その家では明かりを灯す必要もなかったそうです*。

非常に強い光だったので、家の外にも光は漏れ出しました。

その光に気づいた、近くに住む小学校の校長がやってきて、なぜ、明るい光が漏れているのだ、そんな光は電灯では出ない、とたずねてきました。

夫婦は畑から見つけたという話をしたところ、校長は、それを欲しがってぜひ譲ってくれと、お金を払って持ち帰ったそうです。

百姓夫婦は、思わぬ金が手に入って大喜びでした。

しかし、その日の夜、校長の家から火が出て、部屋一つを焼いてしまったのです。

そのときに、その部屋に飾っていた光を放つ石も行方不明になってしまいました。

その石の素性についていろいろと話しがでたのですが、

「それは、非常に高貴な石であって、その威厳によって火災が起きたのだろう」

「その石は、火の精が凝り固まってできたものだから、それで火災が起きたのだろう」

というような、根拠のない意見があったそうです。

じじいは、そんな石を手に入れたいものだと思ったのですが、ついに発見できなかったということです。

*石が強い光を放つという話は、以前描いたことがあります。その話の石は、火災を起こすというようなことはなかったのですが、強い光を長時間浴びた障子やふすまの紙や畳が急速に劣化したそうです。

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