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石じじいの話  作者: Lefeld
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石じじいの話・水石趣味入門

石じじいの話です。


じじいは、生活のために石を採集して売って金を得ていましたが、とくに、石じたいを愛でるということはなく、その点、ドライな石ビジネスマンでした。

いっぽう、じじいの顧客は、石のためなら女房も質に入れるというほど因業な人たちでした。

じじいの大切なカモです。

石の趣味には、「水石趣味」という分野があります。

水石趣味の人たちは、じじいの非常に良い客でした。

彼らは、じじいに、いろいろと「水石哲学」について語ってくれたそうです。

以下のような主張です。

水石と盆栽は車の両輪である!

「山の形」をした石があるが、これを「遠山石」といって、「遠くに連なる山々」を思わせる石だ。

これが、水石の基本である。

この遠山石には、いろいろな「形」がある。

++ 連峰形というのがある。

これは、高さが違う主峰と副峰の2つの突出があって、それが峰でつながっている石だ。

起伏に富んだ造形が理想だ。

++ 双峰形というのがある。

これは、二つの峰を持つ形で、主峰と副峰の高さに差がある方が好まれるのだ。

連峰形と似ている。

++ 孤峰形は、主峰が一つだけの形だ。

左右対称に近いと単調に見えやすいのだが、主峰の配置が適度にずれていると風格が増すのだ。

土坡石(どはいし)というのもあるぞ。

これは、平らな面のある石で、「広大な大地」を思わせる石なのだ。

これの派生型で、「高土坡」というのがある。

これは、石の平たい面に高さのあるものだ。

また、「遠山土坡」と呼ばれる、土坡に遠山が合わさったものもあるぞ。

まあ、純粋な平たい土坡で広大な大地を思わせるような石には、そうそうお目にかかれないのだな。

土坡というのは、ただ平たければそれでいいというのではない。

「広大な大地を想像させる」必要があるのだ!!

じじい、うんざり。


ある水石趣味の人が語ったところによると、その人は、旅行中に、自分が持っている、お気に入りの水石の形とまったく同じ風景に行きあたったことがあるということでした。

写真を撮影して、家に帰って水石と比べてみると、その形、配置に寸分の違いもなかったそうです。

水石趣味人の執念のなせるわざなのでしょうか?

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