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石じじいの話  作者: Lefeld
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石じじいの話・猿の自殺

石じじいの話の話です。


ある村では、猿の害が多いので、畑に罠を仕掛けていました。

ある日、その罠に子猿がかかって死んでいたそうです。

村人が、その子猿の死体を片付けていると、母猿と思われるメス猿が、その様子をじっと見ていました。

村人は、ちょっと、かわいそうに思い、その子猿の死骸を、藁むしろの上に置いて野花とイモを少し供えて、遠くから見ていました。

そのメス猿は、おそるおそる近づいてきて子猿の死骸を抱えると、住んでいる山とは反対の方向に、とぼとぼと歩いていきます。

その姿が、いかにもいじらしかったので、村人はそのあとをつけていきました。

その母猿は、大きな川にかかった橋の真ん中で、子猿の死骸をしっかりと抱いて座りこみました。

彼女は、長い時間じっとしていましたが、決心したように立ち上がって、子猿の死骸を抱いたまま、橋から川に飛び込みました。

村人が慌てて下を見ると、その母猿は死骸をしっかりと抱いたまま、泳ごうともせず川を流れて沈んでいったそうです。

自分の子供が死んでしまって、母猿は悲観して入水自殺したのだろうか?

その村人は、母猿を哀れんで、また、自分の仕打ちを悔やんで、猿が死ぬような罠を仕掛けるのをやめました。

そして、猿の母子を村の寺で供養してやったそうです。

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