石じじいの話・蒙古のラマ僧と奴隷(満州)
石じじいの話です。
じじいが満蒙を旅したとき、現地の満州人の役人から聞いた、蒙古の社会についての話です。
その役人は曰く:
蒙古では、世襲の身分制度があって、社会への弊害が多い。
貴族階級が存在する。
他に、チベット仏教であるラマ教、その僧侶であるラマ僧も、いちおう貴族階級だが、その地位は低いのだ。
ラマ僧には、あらたになれるのだが、世襲のラマ僧もいて、彼らは遊牧地を持って、そのために奴隷を牧夫として使っている。
ラマ教の寺は、領地を持っていて、それが行政機関を兼ねている。
平民も、もちろんいるが、これには5つの階層がある。
平民は、その地域の寺に税金をおさめて、さらに義務である使役に服している。
平民のなかには、一般の貴族に属するものもいる。
さらに、奴隷もいる。
彼らの中には、チンギスハンの時代からの奴隷がいる。
それは、モンゴル人の部族や、征服された西域の捕虜などだ。
また、満州人が獲得した漢人が奴隷となっていることもある。
これらの奴隷は平民に所有されている。
奴隷は、私有財産で物品と同じだ。
奴隷は、平民や貴族との婚姻は許されないし、政治や行政に関わることも禁止されている。
蒙古では:
病気になったり不幸が続いたりすると、その悪運を落とすためにラマ教にまじないを頼むのですが、それ以外にも、シャーマンの呪術に頼ることも、しばしばだったそうです。
その呪術で、相手をのろうこともできるのです。
現地に住む多くの日本人や満州人、朝鮮人たちは、それは迷信と考えていたのですが、じっさいに、その呪いが効力を発揮することもあったようです。
この話は、また別に紹介しましょう。
さらに、その呪術が、蒙古人の健康に大きな悪影響を与えていたのです。
それについては、別に紹介します。




