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石じじいの話・短い話:雷雨の声;裏庭の声
石じじいの話です。
じじいが、聞いた話です。
1. ある人が語りました。
「黄昏時に雷雨がやってくるだろう。
その雷鳴の間に、死者の声を聞くことができるんだ。
親しい人のものだ。
君、聞きたいか?
その声を聞くことができる場所は決まっているんだ。
あの川にかかる古い木造の橋の上だよ。」
2. ある人が語りました。
「死体を埋めた裏庭から、よく声が聞こえるんだ。
うるさくて眠れないこともある。
しかし、ソレを掘り起こしたくない。
このまま、生活するしかないのかな?」




