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石じじいの話・短い話:神様のいないことろへ;霧の浄土;毛布をかけてくれる;恋の沼
石じじいの話です。
じじいが語った話の断片です。
1. ある人がじじいに言いました。
「神様のいないところへ行きたい。」
2. ある人がじじいに言いました。
その人と、濃い霧の中を歩いていると、
「たぶん、浄土は、こんな感じなんだろうな。」と、その人。
3. ある人がじじいに言いました。
「夜中に目覚めると、だれかが、毛布をかけてくれることがあるんだ。
俺は、寝相がわるいからな。
誰なんだろうな?
わからないから幸せなんだよな。」
4. ある人がじじいに言いました。
その人は、じじいが山中の沼で出会った老人でした。
「この沼の底に、私の破れた愛があるのです。」と、その老人。




