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石じじいの話  作者: Lefeld
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石じじいの話・いくつかの短い話 6:ある人の話 - 食肉工場・夕焼け・箱のサイズ

じじいの話には、断片的な短い話がたくさんあります。その前後の文脈が不明なものです。

もともと短い話だったのでしょうか。あるいは、もっと長い話だったのを、それを聞いた私が、記憶しきれなかったのか、あるいは、家に帰って忘れてしまったのでしょうか。

何冊もある聞き取りノートを探してみても、同じ話の前後と思われる文章が見つからなかったものを書いてみましょう。

石じじいの話です。


(1) じじいが、ある人と話をしている時、その人の小さな子がやってきて、「おかあさんが、あの丘の上の建物に行ったきり帰ってこないね。いつかえってくるの?」とたずねてきました。

その人は、「もう少し待ちなさい。今年中には帰ってくるから。」と、その子に答えました。

子供は、その答えに納得したようには見えませんでしたが、だまって部屋から出ていったそうです。

その人が、じじいに言うには。

「お恥ずかしいことですが、私の妻は、家出したのです。用事で、あの建物に行く、と言って外出したのですが、それから戻って来ないのです。」

じじいは、あの丘の上の建物は何か?と彼に尋ねました。

「あそこは、食肉工場なんです。」とその人。


(2) じじいが、ある人と話をしている時、その人の小さな子が興奮した様子で部屋に入ってきて、「おとうさん!夕焼けがきれいだよ!真っ赤だ!見に行こうよ。」と誘いに来ました。

その人は、「今は夜だぞ。」と答えたそうです。


(3) じじいが、ある人の家で、彼の岩石コレクションを見せてもらったときのことです。

そのコレクションが収蔵されていた物置の隅に小さな木製の箱が置いてありました。

その箱の上面には、「XXXちゃん用」と、鉛筆でうすく書いてあったそうです。

じじいは、その箱が気になって、その人が場をはずしたときに、板でできた蓋を開けてみましたが、中には、数字が書かれた紙片が入っているだけでした。

その数字は、その箱のサイズだろうと思われました。

小さな子供なら入るだろうな、と思ったそうです。


これら3つの話に出てくる「ある人」が同一人物かどうかは不明です。

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