石じじいの話・呪いの器
石じじいの話です。
酒を飲むための器に呪いをかけることがあったそうです。
こうすると、呪われた人物は、毎日、飲食のたびに呪われた器に口をつけるので、呪いはよくきくのだということです。
そのような呪いを防ぐために、口につける食器は、粗末な土器にしておいて、毎、使ったあとに割り砕いて捨てていたそうです。
酒を飲むための器には、高価な磁器や漆器は使わないのだとか。
日本の、ある地方での風習だったそうです。
同じような呪いの方法は、ほかにもあり、櫛に呪いをかけることもあったとか。
これは、使い捨てということは難しいので、櫛は厳重に管理されていたそうです。
さらに、呪う相手の子供に呪いをかけて、つまり、その子供を呪いの道具にして、その親族を呪い殺す、ということも行われていたようです。
親は、わが子をかわいがり抱いたりおぶったりするので、呪いがよくきくのだそうです。
犬神憑きの変形版でしょうか?
コワイコワイ
じじい曰く:
酒のむんも、髪の毛といておしゃれするんも、こどもかわいがるんも、たのしゅうて、ええことやけんど、それでのろわれてしまうんは、おとろしことよ。わるいやつは、いろんなことをかんがえるもんよのう。油断せられんで。