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石じじいの話  作者: Lefeld
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石じじいの話・犯罪発生率を支配する地形

この話に出てくる犯罪学理論は、議論に値しない妄説です。

石じじいの話です。


朝鮮にいたときに、知り合いのロシア人から聞いた話です。

ロシアの犯罪学者(怪しい)が発表した理論に、「その地域の地質が犯罪発生率に影響を及ぼす」というのがあったそうです。

また、「その地域の地形が犯罪発生率に影響を及ぼす」とも。

この話を聞いた時、じじいは、なにか胡散臭いなと思ったそうです。

たとえば、ウラル地方では:

全体で発生した犯罪の総数に対して:

ジュラ紀や白亜紀の岩石が分布する地域での犯罪数は、21%;

花崗岩が分布する地域での犯罪数は、19%;

粘板岩が分布する地域での犯罪数は、22%;

沖積層が分布する地域での犯罪数は、21%;

を占める。

また、地形ごとでは:

平地では、20%;

高地では、33%;

山間部では、35%;

となる。

このような推論には意味がないことは、みなさん、おわかりでしょう。

これは、ロンブローゾ博士*の理論とも合致する、と、その犯罪学者は主張していたそうです。

その知り合いのロシア人が言うには:

生来的犯罪者というのがいて、それらは、みな共通した生物学的特徴を有しているんだ**、と。

また、民族によっても犯罪者になりやすいものとそうでないものがあるんだ***、と。

じじいは、そのロシア人に、そのような理論を信じているのか?とたずねたところ。

「この理論ではな、おまえたち東洋人が生来的な犯罪者なんだぜ。そんなこと信じられんよな。ドイツ人を見てみろよ。」と彼。

*イタリアの犯罪人類学者、チェーザレ・ロンブローゾのことでしょう。

**, ***現代の知識からすると、まったくのトンデモ理論ですが、19世紀末から20世紀はじめにかけては、いや、第二次大戦後にいたっても、珍妙な「犯罪学理論」が信じられていたそうです。

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