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石じじいの話・辞世の和歌
石じじいの話です。
八歳で辞世の和歌を詠んで死んだ子供がいたそうです。
その男の子は、農家の生まれで、四つのころから地蔵尊(お地蔵様)を信仰していました。
才知に優れた子で、読書や手習いも、他の子どもたちと比べて格段に優れていたそうです。
村の神童と呼ばれていましたが、八歳のときに突然死にました。
その死因はわかりません。
彼は、死ぬ前に、「辞世の和歌」をのこしたそうです。
それは、
「なごりをしめいどのたびのひとり行き」
残念ながら、私のノートには、下の句は書き取られていませんでした。
私が、話を聞いてからノートに書き残すまでに、忘れてしまったのかもしれません。




