石じじいの話・睡眠に関するまじない
石じじいの話です。
じじいが教えてくれた睡眠に関する呪いをいくつか。
(1) 夜、悪夢に襲われないまじない
赤い毛氈を一尺用意して、それを枕にして寝るとうなされない。
(2) 寝過ごさないようにするまじない
馬の頭骨を枕として寝ると、目をさますべきときに自動的に目が覚める。
これ、馬の頭骨の入手が難しいと思うのですが。
(3) 悪い夢を見たときに唱えるまじない。
以下を三回唱えるとよい*。
「夜見つる今宵の夢は悪しからじ違へる戸の下に寝ぬれば」
とか、
「奥山の根なしカズラに見つる夢ことなし草に見ゆるなりけり」
(4) 大小便を我慢するまじない
寝ているときに、便意で目覚めてしまうことがあります。歳をとると特に。
トイレまで行きたくないときには、以下の呪いをどうぞ。
大便をしたくなったときは、男は左、女は右の手のひらに指で大の字を書いて、それを三度なめる。
小便の時は、同じように小の字を書いて、おなじように三回なめる。
すると、便意はおさまる。
ちょっと、安易な呪文ですが、まあ、わからないでもない。
(5) 鼻血をとめる方法
寝ているときに、自然と鼻血が出て枕に血がついていることがありませんか?
鼻血はすぐに止まるのですが、止まらないときには以下のやりかた。
紙を八枚に折りたたみ、汲みたての水にひたして、頭のてっぺんに置くと鼻血は止まる。
わざわざ水を汲みに行くのはめんどうです。水を汲んできた時点で鼻血は止まっているでしょうね。
*この呪文には、聞き取りの際の間違いがあるかもしれません。
いちおう、子供わたしが書き取ったあと、じじいが手直ししてくれたものと思われます。
これは、ノートの筆跡からわかります。
しかし、じじいの話を聞きながら、ノートにそれを書き取った、という記憶はほとんどないのですが。




