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石じじいの話・魚が体から出る
石じじいの話です。
人の体の中から、魚が出てきたことがあったそうです。
ある人の背中に、できもの(粉瘤)ができました。
それは、どんどん大きくなり、強い痛みを伴っていましたが、ある日、自然と潰れて膿と血がでました。
そのときに、その傷口から小魚が出てきたそうです。
その魚は、すでに死んでいましたが、間違いなく魚でした。
じじいは、アルコール漬けにされた、その魚を見たそうです。
アルコールに漬けられていたので、脱色されて真っ白だったそうですが、たしかに魚でした*1。
頭はもとより、ウロコやヒレもそろっていたそうです。
ハヤのような魚でした。
体から石が出る(結石ではなく)、ガラス片が出る(これはインチキらしいのですが)、細い糸状の疳の虫がでる(これも間違い)というのは、よくある話ですが、複雑な体の生物が出たというのはめずらしいということでした。
*1 フォルマリンが手に入らなかったのだそうです。




