石じじいの話・短い話:月見をする人々
石じじいの話です。
写真に関する不思議な話を紹介しましょう。
心霊写真(幽霊写真)などは、写真関連の怪談の定番ですね。
皆さんは、9月8日の皆既月食をご覧になりましたか?
仕事で現役の方は無理だったかもしれませんが、暇な私は見ました。
子供のころ天体写真撮影が趣味だったので、昔とった杵柄、デジカメで撮影しました。
それで思い出した、じじいの話です。
ある年の月見の時、じじいは、月の写真を撮影しようと思い立ちました*1。
じじいは、カメラを持っていました。
自作の木製の三脚も持っていたと思います。
撮影に適した暗い場所はどこか?
考えたところ、墓がいいのではと考えたのです。
街灯もない*2。
当時は、白黒フィルムの写真でした。
これは、当時のカラーフィルムは性能が悪いし、自分で現像できなかったからです*3。
撮影して、自分で現像したら、人がたくさんうつっていたそうです。
だれもいなかったはずなのに。
月光に照らされて、黒いシルエットでした。
みな後ろ姿で、月を見上げていたように見えたそうです。
これは、よくある怪談話です。
*1 月の写真を撮影するのは、満月よりも欠けた時のほうが良いのです。クレーターに陰ができますからね。
*2 当時の街灯は、小さな白熱灯でした。しかも、設置されている数は少なかったですね。
*3 カラーフィルムの現像は、現像液の液温の管理が難しいのです。
これが一定でないと、カラーバランスが崩れます。




