482/623
石じじいの話・人魚の肉と七人の墓
石じじいの話です。
これも人魚の話です。
土佐(高知県)で起きた話です。
七人の漁師が人魚を捕らえたところ、それが領主の知ることとなり、彼れは罰せられたそうです*1。
死罪となって処刑されてしまいました。
そして、彼ら七人の墓がたてられたのです*2 。
その時、ある医者が、人魚の肉をこっそりともらったそうです。
人魚の肉を食べると長生を得るという「八百比丘尼」の話を知っていたのでしょう。
医者は、娘にその肉を食べさせました。
その娘は、やはり長生を得たそうです。
土佐にいられなくなった父娘は、出奔しました*3。
*1 なぜ、罰せられたのか不明です。
*2 「七人ミサキ」の起源を彷彿とさせます。
*3 逃げなければ、七人の漁師と同様に死罪に問われたでしょう。




