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石じじいの話  作者: Lefeld
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石じじいの話・変な人列伝 1

じじいは、旅の途中で、いろいろな不思議な人たちに会ったそうです。そのうちの何人かを紹介しましょう。


(1) 自分の体の皮膚に傷ができて、そこから出血する人がいたそうです。

その傷は、知らない間にできて、出血は、ある時間続いて止まるのです。

その傷印は、手足や胸部、額などに何回もできました。

まるで、キリスト教の聖痕のようですが、その人や、まわりの人たちがキリスト教徒というわけではなかったのです。

信仰の対象にしようとする人もいたようですが、本人や家族の人たちは、それを頑として受け入れなかったそうです。

ある医師によると、そのような傷は、「ヒステリー気質の精神活動」によって生じるのではないか、ということでした。


(2) 腹の中から声が聞こえてくる人がいたそうです。

これは、じじいの伝聞です。

その、腹から聞こえてくる声は、意味を持ち、非常に明確でした。

長い内容を話すのではなく、「きをつけろ」、「あしたまでまて」、「たのしいか?」というような短いフレーズだったそうです。

しかし、そのフレーズは、そのときの状況にふさわしいものでした。

「腹の言葉」に従っても、従わなくても、べつに禍福が訪れることはなかったのです。

そのため、本人も家族の者たちも、その現象を不思議なことだとは思いましたが、恐怖心は持たなかったそうです。

じじいは、いずれ、その人を訪れてみようと思っていましたが、そうこうしているうちに、その人は死んでしまったそうです。

腹の虫が治まらない、という表現がありますね。

腹に一物、とか。



(3) 火星人*に憑依された人がいたそうです。

その人は日本人なのですが、急に、火星人と称し始めたのです。

しゃべる日本語は、片言になり、火星語を流暢にしゃべるようになりました。

その言葉は、だれも理解できませんでした。

それはそうでしょう、火星語なのですから。

火星文字も書いてくれたのですが、だれも読めませんでした。

それはそうでしょう、火星文字なのですから。

外国語の知識がある教師や医師、あげくは大学の先生なども、その火星人(?)と面談しましたが、話すことを理解できませんでした。

英語やドイツ語、フランス語でもなく、中国語や朝鮮語でも、ロシア語でもなかったそうです。

その火星人は、火星の文明**について、たどたどしい日本語で説明しましたが、その内容は、ほとんど理解できなかったようです。

ちなみに、その火星人によると、彼らの腕は三本ではない***、ということでした。

* 以前書いたじじいの話で、地球に偵察に来て50年間住んでいる金星人の話がありました。金星人は100年がかりで地球侵攻計画を練っていたのだそうです。

SF映画の「金星ロケット発進す」(1960)みたいです。

その計画は成功したのでしょうか?

**昔は、火星の表面にはたくさんの運河が観察され、それは、火星の文明によって築かれたものだ、という考えがありました。天文学者パーシヴァル・ローウェルの唱えた説だとか。

私が子供の頃は、まだ、表面に運河のような模様が観察される、という考えがあり、多くの天文趣味の人たちが望遠鏡で観察して、その運河のスケッチを発表していました。しかし、同じ夜に別の人によって描かれたスケッチが、一致しないという状態でした。

私も、買ってもらった屈折望遠鏡で挑戦しましたが、火星は赤い円形としか見えませんでした。

***火星人の腕は三本。意味が分かる人いますか?

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