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石じじいの話  作者: Lefeld
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石じじいの話・掘れない井戸

石じじいの話です。


あるとき井戸を掘ろうということになって、じじいも人夫として雇われました。

石を集めているんだから地面を掘るのも得意だろうという、わけのわからない理由で依頼されたそうです。

じじいにとっては、当然、日当が目当てでした。

3メートルほど掘り下げていくと、大きな石に当たりました。

とても硬く、たたいても割れないし、動かないのです。

横に穴を広げても、石は水平方向へ続いていました。

その石は、真っ白なガラスのような石で、おそらく流紋岩だろうと思われましたが、割ることができなかったので、サンプルが取れず、正確な鑑定ができませんでした。

石の上面、つまり掘りあたった面は、磨かれたようになめらかでした。

しかたがないので、少し離れた場所に井戸を掘ることにしました。

掘っていると、また、3メートルほどで、同じ石にあたったのです。

これまた、それ以上深くは掘れない。

とうぜん水もでません。

さらに、そのあたりを何カ所か掘っても、同じ石にあたってしまいました。

それで、このあたりには井戸は掘れないということになりました。

ダイナマイトを使ってはどうか?という意見もありましたが、そんなものは一般人には使えません。

その石が地下にあると思われる範囲は、おそらく100メートル四方の広さだったといいます。

石の正確な大きさや形がわかるほど、密に穴をほって確認したわけではなかったのです。

じじいの鑑定では、この石は、確実に流紋岩でしたが、そは溶岩であり、そのあたりにはありえない岩石でした。

近くに、火山などないし、太古の昔にもなかったのですから。

そのあたりの地盤は、海底で堆積した砂岩や泥岩だったのです。

この石が、他の地域から移動してきた、たとえば川の流れで運搬されてきたわけでもないだろうというのが、じじいの意見でした。

今なら、削岩機などで石を破壊できたのかもしれません。

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