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石じじいの話  作者: Lefeld
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石じじいの話・永遠に燃える石

石じじいの話です。


石についての短い話を紹介しましょう。

「石じじい」の話ですからね。


いつまでも燃え続ける石があったそうです。

ある石収集家が、「プロパンガスのような臭い」を出す石を持っていました。

それは、直径十センチほどの、扁平な円形の砂岩でした。

あるとき、思いたって、マッチの火を近づけてみると引火したのです。

青白い火が燃えました。

これは、油母頁岩のような岩石だ、油成分が燃え尽きたら火はすぐに消えるだろうと、そのまま放っておいたのですが、火は、いつまでたっても消えませんでした。

不思議でしたが、「これは得したのではないか」と持ち主は思いました。

燃料代が浮く。

それで湯を沸かしてみました。

しかし、いつまでたっても沸きません。

鍋が熱くならないのです。

炎に手を近づけると熱いのですが、鍋は熱くならない。

当然、お湯も沸かせません。

線香やろうそくに火をつけることもできないし、紙も燃えない。

どういうことだろう?

割ってみるか?という意見もでましたが、そのせいで燃えなくなったらもったいない。

それに、衝撃を与えると爆発するのでは?という、荒唐無稽な意見もありました。

一度、火を消してみるかとも思いましたが、そのあと、二度と燃えなくなったらもったいない。

やはり、手を加えないで燃やしておこうということになりました。

しかし、ちょっと危ない。

火の用心をしたほうがいいだろう。

ということで、「五徳」を鍛冶屋に作ってもらい、その上に置いて保管することにしました。

たしかに、この石の炎からは引火しないようなのだが、やはり、むき出しでは心配だということで、金魚鉢をふせておきました。

それでも、鉢の中の酸素が消費されてしまって火が消えるということはなかったそうです。

石は、燃え続けて、常夜灯として重宝されました。

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