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石じじいの話・短い話:仏の血の涙;良い場所を知る;黒雲の白い矢
石じじいの話です。
短い話をいくつか紹介しましょう。
1. ある山寺の木の仏像の眼から血が流れたことがあったそうです。
昔のことでした。
両目から、1時間ほど血が出たのです。
流れ落ちた血は、床に染み込みました。
じじいは、その仏像を見たそうです。
仏像の頬には、両目から流れた血のものと思われる黒いシミがあり、床にも血の黒い染みが残っていたそうです。
2. 寺や神社を建立する時に、場所が決まらない場合。
枯れた、木の苗を、候補となる場所に植えて、それが芽をふいた場所が良い土地なのだそうです。
そこに、建てるのです。
3. じじいが、石探しのために山を歩いていたとき、多くの人が騒ぎながら山をのぼってきました。
尋ねると、
少し前に、黒雲が流れてきて、そこから白い矢が放たれた。
その白い矢は、この山に飛んで落ちたので、探しに来たのだ。
ということでした。
それを見つけることが出来たかどうかは不明です。
じじいは、興味を持ちましたが、先を急いだのです。




