石じじいの話・シベリアの命名法(ロシア、朝鮮)
石じじいの話です。
知りあいのロシア人が語ったシベリアの少数民族の風習についての話です*1。
シベリアの少数民族には、独特の命名法があったそうです。
生まれた子供の名前をつける方法です。
彼らの命名方法は、祖先の魂が死後、新生児として再生するという考えと結びついています。
霊魂と「名前」は密接に関係していて、新しく生まれた人間を命名することによって、その魂(死者)が再生すると考えるのです。
命名による魂の再生なのですから、その子に宿った魂と、その子につけられる名前が一致している必要があります。
一般的な方法は:
占いができる年配の女性(シャーマンか?)が、子供を命名しようとしている家系の死んだ人物の名前を順番に呼びかけて、誰が再生したのかを知るのです。
具体的な方法は、私の聞き取りノートに書かれていませんが、もし呼びかけた人名が合っていれば、何かのものが動いて知らせるということらしいのです*2。
もし、名付けられた子どもが病気を患ったりすると、つまり、不幸になったりすると、その占いが間違っていたとして占いがやり直されます。
このように、祖先の魂が子孫に「循環」することによって、その人の不幸が避けられるという考えもあったようです。
夢占いで命名を行うこともあったそうです。
これは、シャーマンや妊婦の見る夢に出てきた人物の名前をつけるというものです。
もし、間違っていたら、あとで改名するから、問題ないのだとか。
また、死んだ人への感謝の気持ちをあらわして、その人の名前をつけることも行われました。
自分の祖父母や親の名前を残したいと望む場合は、村でだれか生まれると、その子供に、彼らの名前を付けてもらうように依頼するのだそうです。
ある人が死んですぐに子どもが生まれてきた場合には、自動的にその人の名前が付くこともあったそうです。
*1具体的な、民族の名前は、ノートには書かれていません。
*2死んだ人の名前を生まれた子供につけるのであれば、まったく新しい名前は付けられない、創出されないということでしょうか?
日本の「キラキラネーム」の命名はありえないと?




