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石じじいの話  作者: Lefeld
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石じじいの話・首吊り興行

石じじいの話です。


これは、じじいが朝鮮に住んでいるときに、知り合いのロシア人から聞いた話です。いずれも、ロシア帝政の末期のことだとか。


(1) 縊首の実演興行をしている人がいたそうです。

それは、自分が縊首するのを、公衆の面前で実演し金を得る方法でした。

首吊り装置(西部劇に出てくるような木製の処刑台で組み立て式)を引いてきて、それで助手を使って行うものでした。

首を吊って、自分が意識を失う様子を見せるのです。

これはけっこう人気があり、たくさんの人が集まったということです。

これを見物している婦人が、ショックで失神して意識を失うこともあったそうです。

まるで、オックスみたいです。

すぐに、助手が彼を助けるのですが、意識が回復したあと、彼は意識を失う瞬間の様子を見物の人々に、おもしろおかしく説明したということです。

その後、彼がどうなったのかはわかりませんが、失敗しなかったことを祈るばかりです。


(2) 目が見えなくても、普通に歩くことができる人がいたそうです。

その人は、別に視覚が不自由ではなかったのですが、感覚の鋭い人らしく、どんなに目隠しをされても、障害物を避けて、すたすたと歩いたそうです。

インチキ臭いということで、他の人が用意した目隠しをさせて、遠くの場所に連れて行っても、自由に歩けました。

また、大きな屋敷に連れて行って、家の中を歩かせても、なんの不自由もありませんでした。

その時は、頭に金属の箱をかぶせていました。実験では、当然、足元も見えないようにしていたそうです。

その人に、どうしてそのようなことができるのかを尋ねたところ、彼が言うには、何かを感じるのだが、それを自分でも説明できないのだ、と。

それは、視覚でもないし聴覚でもない。強いて言えば触覚のようなものだ。

全身で感じる触覚のようなものだと。

しかし、障害物に触るということもない。当然でしょう、物にぶつからないで歩けるのですから。

第六感というものでしょうか?*

この能力が、戦闘に使えるのではないか?と軍が彼を研究したそうですが、その成果がなかったことは、その後の戦争における戦死者の数をみればわかります。

*透視能力かもしれませんが、紙に描かれた図形をあてる、という単純な技よりもはるかに高度です。

この人物が、そのような「常識的な」透視能力も持っていたかどうかは、聞き取りノートにはありませんでした。関連の書き取りを探してみます。

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