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石じじいの話  作者: Lefeld
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石じじいの話・死者のその後:蛾になる;育つ

石じじいの話です。


亡くなった肉親のその後は?


1. ある娘さんが亡くなりました。

死ぬ前に、彼女は、「死んだ後、人間の姿で出るのは嫌だから、蛾になって必ず一度は戻ってくる」と言いました。

お骨納めのあと、黒い蛾が家に入ってきて仏壇にとまりました。

蛾は、数日、そこにいて、飛び立ってしまったそうです。

その日の夜中、仏壇の鐘が三回鳴ったとのこと。


2. ある女性は、結婚して男の子を産みました。

それから、八年して女の子を産みました。

最初の子が生まれて以来、もう子宝には恵まれないと、彼女は諦めていたので、たいそう喜びました。

しかし、その子は、一歳の誕生を過ぎたとき肺炎で死んでしまいました。

それから、六年たった、ある夜のことです。

母親は、仏壇に線香をあげて、床につきました。

夜中に目覚めると、足元に白いものがうずくまっています。

目を凝らしてみると、その白いものが、だんだん女の子の形になっていきます。

白い可愛いシャツに赤いスカート。

長い髪が揺れています。

女の子は、母親に向かって静かに言いました。

「六年前に死んだ『きよみ』です。今は小学一年です。毎日楽しく元気にすごしています。」

彼女は、そう言って姿を消しました。

母親は、はじめは怖くてしかたがなかったのですが、「毎日を楽しく過ごしている」の一言を聞いた時、「ああ、あの世もこの世も変わりはないのだわ」と思って安心してねむりについたそうです。

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