石じじいの話・臨死体験:タクシーに呼ばれる;いっしょに行こう
石じじいの話です。
臨死体験の話です。
川が出てくる体験です。
1. ある人が死にました。
長い一本道を歩いていると、河原に出ました。
近くに小屋があります。
そこへ入って休もうとしたら、急に車のクラクションが鳴りました。
振り返ってみると、川の堤の上の道路に一台のタクシーが停まっていました。
「ああ、あれに乗らないと。」と思って、堤にのぼってタクシーの横まで行くとドアが開きました。
そこで目を覚ましました。
生き返ったのです。
生き返った彼が言うには、そのタクシーの運転手は、制服制帽を身に着けていたが顔は覚えていない、と
2. ある人がインフルエンザから肺炎になり、高熱をだしました。
重体です。
その人は、野原の一本道を歩いて河原に出ました。
河原には、まだ生きているはずの母親が立っていました。
母親は、「さあ、いっしょに行こう」と言って、その人の腕をとります。
その人は、「いやだ!」と母親の手を振りほどきました。
恐ろしかったのです。
母親は、悲しそうな顔をして、河原を川の方へ歩いて生きます。
母の誘いを断ったのが悪い気がして、「母ちゃん!」と叫びますが、母親は振り返りません。
その人は、悲しくなって、激しく泣いたそうです。
目を覚ましてみると熱は下がっていました。
生き返ったのです。
というか、助かったのです。




