石じじいの話・臨死体験:あそこに行くな;この着物を着なさい;花畑を見た
石じじいの話です。
臨死体験の話をしましょう。
じじいが、朝鮮や日本で他人から聞いた体験談です。
死後、人はいろいろな場所に赴くようです。
長い一本道を歩く。
川や海岸に行き当たる。
花畑の中を歩く。
やはり歩く(=移動する)というのが基本ですね。
一カ所にずっと座っているという臨死体験はあまりない。
1. ある人が死にました。
死後、歩いていると、遠くに森が見えました。
そこに向かって進んでいると、急に、耳元で「あそこに行くな!」という声がしました。
それまで、生暖かい風が吹いていたのですが、急に冷たい風が顔に吹きつけ、目を覚ましました。
生き返ったのです。
2. ある人が死にました。
まっすぐの砂利道を歩いていました。
道の両側には桜が並木として植えられています。
満開でした。
一本の桜の木の後ろから女性が出てきて、きれいな花模様の着物を差し出してきたそうです。
「この着物を来なさい。」
その人は、これを着てはいけないと思い、走って逃げる途中、砂利道で転んでしまいました。
そこで目を覚ましました。
生き返ったのです。
3. 親戚のおじさんが危篤だというので、病院に駆けつけました。
病室に入ってみると、おじさんは、峠を越していて意識もあり元気そうでした。
「いやいや、きれいな花畑を見たよ。」と、おじさん。
おじさんは、三日後に死んだそうです。




