石じじいの話・短い話:クロが死んでいる!;女の子を見ませんでしたか?;ネズミで死ぬ
石じじいの話です。
短い話をいくつか。
いずれも、じじいの経験談です。
1. じじいが歩いていると、道に面した家の庭から声が聞こえてきました。
「かあさん!たいへん!クロが死んでる!」と幼い女の子の声。
「おとうさんも死んだのにね。」と母親らしき女性の声。
2. じじいが歩いていると、女性に尋ねられました。
「このあたりで、小学三年生くらいの女の子を見ませんでしたか?」
彼女は、その子の母親で、姿が見えなくなったということで探していたのです。
必死の様子でした。
じじいには心当たりが無かったのですが、その母親に協力して子どもを探すことにしました。
母親は、近くを歩いて通り過ぎようとした中年男性に問いかけました。
「このあたりで、小学三年生くらいの女の子を見ませんでしたか?」
「さあ?私、いま、車で来たところですから。」と、男性は表情ひとつ変えず返答したそうです。
3. 非常にねずみを嫌う人がいたそうです。
その人の机の引き出しに、いたずらにネズミの死体を入れておいたのです。
その人は、知らないで引き出しを開いて死体を見ると、驚いた様子もなく、そのまま倒れて死んだそうです。*1
*1 いや、これは、不思議な話ではないでしょう。いたずらにも度が過ぎるというものです。
そのいたずらをしたのは誰でしょうか?




