石じじいの話・呪詛のアイテム
石じじいの話です。
以前、呪詛の術を習った人が、最初に呪殺したのがハトだったという話を紹介したことがあります。
呪詛の方法について、いくつかをノートから紹介しましょう*。
呪詛する相手の肉体に属する一部を入手します。
それは、頭髪;爪の一部;鼻血;排泄物;唾液;足跡がついた地面の砂など。
これらに呪いをかけると、それが属していた人物が呪われる、というものです。
その人に似せた人形を作って、それに、上記のアイテムを仕込んで、その人形を、毎晩少しずつ燃やしていくのです。
燃やすときに、「これは、XX(呪う相手)の心臓です、肝臓です、腎臓です」と唱えるのだそうです。
ある種の植物の枝を集めて、それを呪う相手の骨格に見立てて組み上げます。
呪いをかけたあと、その人形をを自分の後ろに投げ捨てて、そのままそこを立ち去ります。
この時、後を見てはいけません。
すると呪詛された者は必ず死んだそうです。
感染性の呪法と言えるかもしれません。
ある呪法では、人だけではなく、家畜も、その体の一部を入手して呪詛できるのだそうです。
呪詛には、以前に何度も書いてきた「犬神憑き」というものがあります。
じじいの故郷は、この犬神憑きの本場でしたが、現在はまったく絶えて存在しない風習です。
この犬神は、基本的に人に憑くものですが、家畜に憑く犬神もいたということです。
*じじいの話によると、これらの術以外にも、いろいろなものがあったようです。ここでは、それほど罪にならないようなものを紹介しました。
また、私の聞き取りノートには、このような呪術を使う人たちや宗派(?)についての記述もあるのですが、ここでは触れませんでした。




