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石じじいの話・出産のタブー
石じじいの話です。
この話は、みなさんもご存知のものが多いと思います。
じじいが話してくれた、出産に関するタブーです。
漁村では、満潮時には男の子が生まれ、干潮時には女が生まれるのだ、と。
妊娠中は、辛いものやタコ、イカを食べてはいけない。
特に、イカを食べると流産する。
辛いものを食べると、髪の毛の薄い子が生まれる。
>>おお、これは、親に尋ねてみようと思いましたが、もう、尋ねるべき母も父もいません。
ニラをたべると流産する。
>>レバニラはだめですね。
柿や里芋、ごぼう、唐辛子、油ものはだめだ。
>>柿は、縁起が悪いというのは、関西の河内あたりで聞いたことがあります。
>>柿の木が庭あれば、それを伐ってしまえ、と。
妊娠中に葬式をみると、黒あざのある子どもが生まれる。
>>火事を見ると、赤あざのある子が生まれるというのは有名です。
>>いずれも、有名なタブーでしょう。
妊娠して三ヶ月たった後は、邪悪なものを見たり聞いたりしてはならない。
心を正しく保たなければならない。
なぜなら、この時期に母体のなかで胎児が人の形を完成するからである。




