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石じじいの話  作者: Lefeld
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石じじいの話・欲情レーダー兵器(ロシア)

石じじいの話です。


ロシア人が語った話なのですが、彼がロシアにいるころに、第一次世界大戦のドイツ人捕虜の証言のようです。


戦場では、敵兵の潜伏場所を知って、そこを急襲することが重要です。

そのために、人間の感情の動きを察知する兵器が開発されていたそうです。

「感情レーダー」とも呼べる、その兵器は、人間でした。

まず、「読心術」的な能力を持っている人間を見つけます。

最初からこれですから、その兵器開発は非常に困難であることは想像できます。

ただし、明確な読心術の能力である必要はなく、「なんとなく他人の考えが予想できる」といったような「勘がいい」人材でかまわないのです。

その人たちを「訓練」して「感情レーダー」に育てるのです。

その訓練は、精神的な鍛錬とある種の薬物の投与を組み合わせたものだったとか。

この点、詳しく知りたいですが、記録にはありません。

では、それは、どのような性能なのか?

その「感情レーダー者」は、人の恐怖心(そして警戒心)や欲情を感知するのです。

しかも、その感情をもつ人間の位置を正確に三次元的に捉えることができるのです。

まるで、視覚のように。

「恐怖心」と「欲情する心」は、生物としての本能であり、それは「同じような波長の電波」を発するのだそうです。

それを感知して(受信して)、その発信源の位置を知るのです。

このレーダーとしては、女性の兵士が能力が高かったそうです。

もし、戦場で、隠れている敵兵が女性を見たら欲情するだろうから、容易に敵兵の位置を検出できるのです。

激しく欲情しなくても、少なくとも性的な興味を持つだろうと。

ただし、この場合、レーダー女性兵士を敵兵の目にさらさなければならないので、危険です。

そのため、囮として普通の女性を歩かせて、レーダー兵士が、欲情電波を検出するという戦術が考えられました。

それはちょっと・・・、という方法です。

しかし、ここに問題がありました。

そのレーダー兵士じしんが敵兵の恐怖心(警戒心)や欲情の対象とならないと、その感情をもつ敵兵の位置を検出できないのです。

このため、普通の女性を囮として見せつけ、離れたところにいるレーダー兵士が欲情した敵兵の位置を知るということは困難でした。

男のレーダーに対しては、敵兵は「恐怖心(警戒心)」しか持たないでしょう。

豪胆な敵兵は、それさえ持たないかもしれません。

あるいは、その感情が非常に弱いこともあるでしょう。

それよりも、女性が歩いていれば、恐怖心は持たないだろうが強く欲情するのでは、と軍司令部は考えたのです。

レーダー女性兵士に、ひと目で女性であるとわかる服装をさせて、しかも、欲情させるように半裸に近い格好をさせて、戦場を歩かせたそうです。

その兵士は、護身用あるいは攻撃用に銃を隠し持っていました。

銃を隠し持った半裸の女性兵士です。*

男性兵士(これは普通の人間)に連行されている女性というふりをして、敵兵をだます方法も採用されました。

しかし、この戦術における感情レーダー兵士の死亡率は高く、その戦闘投入は、すぐに中止されたそうです。

そのような能力は、べつの用途に利用したほうが、より多くの利益を得られるのだから、無駄遣いはやめようということでしょう。

*これ、ほんとうに、じじいが子どもの私に語った話しでしょうか?

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