石じじいの話・欲望全般の呪い(まじない)
石じじいの話です。
じじいが教えてくれた、物欲関係の呪いです。
「銭がほしい!」という直截なものではなく、もっと全般的な欲望ですね。
やるなら、この呪いでしょうか。
人間だれしも自分だけは幸せになりたいものです。
(1) 家運を隆盛させる呪い
十二月中に豚の耳を切りとって、それを家の梁の上に掛けておけば金持ちになれる。
● 豚の耳を「切りとる」行為が不可欠なのでしょうか?
(2) 願いごと成就の呪い
五月五日にオス鶏の羽根をとって、それを焼いて酒の中に浸しておいて飲む。
さらに、五月五日が戊辰の日なら、イノシシの頭をかまどに供えて祀ると、願いがかなう。
● オス鶏の羽根、イノシシの頭、どちらも手に入れるのはかんたんではありません。今日では、かまども普通の家にはないでしょう。
じじいの家でも私の家でも、年末に餅をつくと、新年を迎えるために、それを台所のかまどに供えていましたね。
(3) 出世するための呪い
八月の月見にそなえた団子や、他の供え物(食べ物)を盗み食いすれば出世する。
● 月見のときに供えた食べ物は、盗み食いしてもかまわないという話は、以前書いたことがあります。
「石じじいの話・引用:お月見の夜に帰る」です。
(4) 長命の呪い
三夫婦(三代という意味でしょう)がそろている家から、飯杓子を盗んで、それを持っていれば長生きできる。
● これは、窃盗では?
まあ、かたいこと言いっこなしです。




