石じじいの話・生霊、死霊退散法
石じじいの話です。
じじいが教えてくれた、「人に憑いている生霊、死霊の退散法」を紹介しましょう。
じじいは、信じていなかったようですが。
まず、その人に憑いているのが、生霊なのか死霊なのかを知る方法です。
以下の呪文を唱えます。
「今まではたよりなしつる精霊も、今日より後はたよりなすなよ」
これを聞いて、涙を流すのは死霊である。
一方、歯を食いしばるのは生霊だそうです。
生霊、死霊の区別がついたところで、以下、退散プロセスは続く:
生霊または死霊に憑かれている病人を、静かな部屋に座らせて、合掌させておく。
この人に対して、以下の呪文を数回唱える。
「あらし吹く木の間の風のしこりなく、むかふかたきを払ひぬるかな」
そうすると、憑いている霊が出てくる。
出てくるというのは、憑かれた人の口を通して、霊がしゃべる(声を発する)ということ。
これで、霊が、それ以後の手順で「払うことができる」状態になる。
憑かれている人の合掌している手に半紙を当てて「拭き取る。」
拭き取るのは、霊の一部(?)である。
一度に霊の全部が拭き取られることはない。
拭き取るときに、煎り豆をひとつかみ投げる。
投げるときに唱える呪文は、
「衆怨悉退散」である*。
そうして、その「拭き取った半紙」を竹筒に封印する。
この時、生霊の場合は、
その竹筒を川に流す。
半紙を封印する竹筒の長さは、生霊の場合は五寸。
筒の一方には節があって閉じていて、開いているもう一方から半紙をいれて封印する。
死霊の場合は、竹筒の長さが六寸。
それを火で焼くことが一般的。
生霊の場合とおなじように、川に流しても良い。
上記の手順を数回繰り返す。
すると、生霊・悪霊は退散する。
試してみますか?
*これは有名な呪文ですね。




