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石じじいの話・短い話:月焼け;栗の木;火祭り;花の手袋
石じじいの話です。
短い話を。
じじいが他人から聞いた話です。
(1) ある人が言います。
「君、日焼けの他に月焼けというのがあるんだよ。」
(2) ある人が言います。
「栗の木が、大きく揺れていたんだよ。強い風もないのに。
よく見てみるとな、子どもたちが笑いながら幹を揺らしていたんだ。
栗の実なんかなっていなんいだぜ。
見てると、子どもたちは消えてしまったよ。」
(3) ある人が言います。
「火祭りでな、松明に火がともされる直前に、いなくなる人たちがいるんだ。
この世のものではないのだろうな。」
(4) ある人が言います。
「野原に、黒皮の手袋が落ちてたんだ。
片方だけ。
その手袋の指先から黄色い花が生えていたよ。
5本ぜんぶの指からね。」




