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石じじいの話  作者: Lefeld
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石じじいの話・短い話:犬がおぼえた;足の感触;死んだしおり紐;片道切符

石じじいの話です。


「死」に関する話を。

いずれも短い話です。


(1) ある人が言ったそうです。

「死にかけの犬と目があったんだよ。

見ているうちに、その犬は死んだ。

あの犬は、私の顔をおぼえただろうか?」


(2) ある人が言ったそうです。

「若い頃、蛇を踏んだのです。踏み殺したのです。

そのときの、足の、蛇を踏み潰した感触が、いつまでたってもなくならないのです。

もう30年以上も前なのに。」


(3) ある人が言ったそうです。

「この本の、死んだ人が挟んだ、しおり紐のページを読んでいるんだよ。

そのページの番号をノートに書き留めているんだ。」


(4) ある人が言ったそうです。

「駅のホームから、列車に飛び込んで死んだ男がいたんだよ。

その男は、自殺するためにホームで汽車を待ったんだ。

しらべると、彼のポケットから切符が出てきたんだ。

自殺するために、その切符を買ったんだろうな。

その切符は、その人の家の駅までのものだったそうだよ。*

*昔の国鉄の切符は、行き先の駅が印刷されていたのです。

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